逆イールド、円安は終わったのか、デイリー総裁の発言~最近の経済ニュース~
- 佐藤篤
- 2022年11月25日
- 読了時間: 2分
最近のテレ東の経済ニュース(日経プラス9)を視ていて気になったニュース2つとロイターの記事の引用です。
米国債3か月と10年の利回り逆転
米国3か月債利回りが10年債利回りを上回る逆イールドが発生すると、歴史的にみて100%景気後退入りする。
最近FRB高官のハト派寄りの発言が出始めているのも、このことが原因。
逆イールドが景気後退を招くのは貸し剥がしによるもの。リスクを取って長期間の融資を実行するよりも預金に置いておいた方が儲かるので、金融機関は既存の融資の回収が済むと借換に応じなくなってしまう。
逆イールドが発生してから景気後退入りするまでの時期は9か月〜18か月程度が目途とのことで、来年の夏以降要注意。その時までに逆イールドを解消できるのかが金融政策のポイントとなる。
円安は終わったのか
そもそも円安なのかドル高なのかという問題があるが、ここ最近の円安は両者のハイブリッドだった。
円安は構造的な問題。円安で輸入額は増えても輸出額は増えない。第一次所得収支は円転されずそのまま再投資されるので円安是正効果がない。
ドル高は景気サイクルの問題。そもそもFRBは景気後退させるために利上げを行っているのだから景気後退は必須で、それに伴いドル安になる。
米国は景気後退のたびに20%〜30%株価調整するが、次の景気拡大期でその前の高値を必ず上回ってくるので、下落したタイミングで買いが入りやすい。
結論としては、米国の景気後退に伴い円高に振れるが、その後の株価上昇局面でまた円安に振り戻される可能性が高い。
デイリー総裁の発言
以下、ロイターからの引用です。
米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は21日、連邦準備理事会(FRB)の利上げによる実際の影響が、現在の金利水準が示す以上に大きい可能性があるという認識を示した。
現在のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は3.75─4.00%だが、デイリー総裁は「経済における引き締めの水準がこれを大きく上回っている」という一部の分析に言及。「金融市場は金利水準が6%近辺にあるような反応を示している」とし、こうしたFF金利と金融市場におけるギャップを「配慮することが重要だ。軽視すれば、引き締め過ぎのリスクが高まる」と述べた。(引用終わり)
感想
最近はこの類のニュース解説が多い気がします。
これも一種の”expectation control”なのかと勘繰ってしまいます。
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