米国における「会計離れ」~「企業会計」2025年8月号~
- 2025年9月5日
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以前、弊ブログで会計教育現場の現状に係るエントリーをアップしたことがあります。
その内容は、雑誌「企業会計」に掲載されていた、日本における会計学部と会計大学院の現状分析論説の紹介で、それによると、今のところ会計志望者は減少していないとのことでした。
一方「企業会計」2025年8月号の連載「会計時評」は、そのものズバリ「会計離れ」(山田純平)で、米国における会計志望者の現状に触れられていました。
米国における会計離れの状況
日本の会計士試験受験者数は、願書提出者ベースで、2015年の10,180人から2024年には21,573人と2倍以上に増加している。
対して、米国における会計学士と修士の合計は、78,912人(2016-2017年)から65,305人(2021-2022年)と約17%減少している。また、CPA受験者数は、39,436人(2017年)から30,251人(2022年)と約23%減少している。
米国における会計離れの要因
米国では、CPAになるためには、通常の大学生よりも30単位時間多い、150単位時間を必要とするルールがある。そのため、CPA受験生は、通常よりも1年長く大学に通う必要がある。ただし150時間ルールは、45の州で、1999年までに可決されていたといわれ、これだけで最近の会計離れの説明とすることはできない。
CAQ (the Center for Audit Quality)という機関が実施した、学生と最近の卒業生に会計を専攻しなかった理由を聞いた結果は以下の通り
興味や関心がない 32%
他の専攻の方が初任給が高い 29%
CPAのために150時間余分に費やしたくない 28%
数学が得意ではない 28%
給与の伸びの問題
2017年から2022年にかけて、消費者物価指数は20%上昇しているところ、数学と統計は26%増、ファイナンスや経営情報システムは18%増なのに対し、会計は16%増と見劣りする。
感想
最近の米国の大学費用(学費、生活費含)は約9百万円/年と聞いたことがあります。
そのため、3年で卒業しようとする学生も少なくない中、1年余分に通わなければならないのは、かなりの負担になることは明白です。
それに加えて、初任給が見劣りするのでは、CPA志願者が減るのも当然だと感じます。
そもそも大学単位を30単位余分に必要とさせたのは、CPA志願者を減らすことが目的だったのだろうと推察しますが、そういう意味では、米国の「会計離れ」は狙い通りなのかも知れません。
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