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取締役会のメンバー構成はどうあるべきか~「企業会計」2025年8月号~

  • 佐藤篤
  • 9月19日
  • 読了時間: 2分

「企業会計」2025年8月号の特別企画「新しい時代の社外取締役論」から『日本企業における「よりよい取締役会構成を考える」-実証研究が示す課題と展望』(松本守)を読みました。

 

取締役会に係る実証研究結果の紹介なのですが、バイアスのない内容に感じられました。

 

社外取締役の独立性と企業パフォーマンス(株価や業績)の関係についての分析結果

  • 取締役会の独立性と企業パフォーマンスの関係についての正の相関は必ずしも強いものではなく、正の相関があるとする研究もあれば明確な相関は見られないとする研究など、対立する結果が数多く報告されている。

 

女性(社外)取締役

  • ポジティブな捉え方がある一方、取締役会における女性の存在(ジェンダーダイバーシティ)が企業パフォーマンスに必ずしもポジティブな影響を及ぼしているとは言えないと主張する研究も少なからず存在しており、実証結果は対立している。

  • 取締役会のジェンダーダイバーシティの程度が高い企業ほど監査法人などの外部機関からのチェックを受けたサステナビリティ報告書を発行していること、GRI(Global Reporting Initiative)のガイドラインに沿ったCSR情報開示を積極的に行っていることが報告されている。

 

取締役のスキルマトリックス

  • 取締役会におけるスキルの多様性が高い企業ほど、企業のパフォーマンス(トービンのq)が悪いことが報告されている。

  • 取締役会におけるスキルの多様性が高い企業ほど、取締役が持つスキル項目の組み合わせにおいて共通項目が少なく、スキルの共通項目が多い取締役会を持つ企業ほど企業パフォーマンスが向上することも報告されている。

  • これらのことは、異なる能力を持つ取締役で構成されている取締役会が必ずしも良い結果をもたらすわけではないということを示唆している。

 

メンバーの遺伝的多様性

  • 取締役会メンバーの遺伝的多様性の程度が高い企業ほど企業のパフォーマンス(トービンのq)が高いことが報告されている。

 

感想

取締役会は、遺伝的多様性が高く、且つスキルの多様性が高くないメンバーで構成するのが望ましいということでしょうか。

結構、その逆を行っている会社が多いような気もします。

 

また、個人的には、サステナビリティ報告書やCSR情報開示のようなお金を生まない企業活動にはコストをかけるべきではないと考えているので、いろいろ考えさせられるものがありました。

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