取締役会の監督機能~「企業会計」2024年1月号~
- 佐藤篤
- 2024年1月26日
- 読了時間: 2分
「企業会計」2024年1月号に掲載されていた「取締役会の監督機能強化に向けた3つの課題」(高山与志子)を読んでみました。
日本企業において、特に海外の機関投資家から、議長とCEOを分離し社外取締役が議長を務めることが要望されているが、そのような体制になっているケースは限定的である。
2022年7月14日時点でプライム市場上場企業において社外取締役が議長を務めているのは、わずか3.6%に過ぎない(東証「コーポレート・ガバナンス白書」より)。
係る状況を解決する一つの方法としては、筆頭独立社外取締役を置くことが考えられる。
日経225企業で筆頭独立社外取締役を置いている企業は16社に留まっている(2023年10月15日時点、筆者調査)。
上述の「コーポレート・ガバナンス白書」によれば、2022年7月14日時点で社外取締役の割合が過半数のプライム市場上場企業は全体の12.1%、また、4名以上社外取締役がいる同企業は46.7%と半分近くに迫っている。
2022年7月に発表された経済産業省のCGSガイドラインにおいて「社外取締役が、期待した役割を果たしているか、評価する」ことが必要であるとされている。
日経225企業で取締役個人の評価を行っている企業は32社、個人評価の中でもさらに徹底した手法である相互評価を行っている企業は7社(2023年7月15日時点ジェイ・ユーラス調査)であった。
感想
経理部の管理職を務めている知人達から取締役会メンバーに関する愚痴を聞かされることは少なくありません。
共通するのは、プロパーの取締役は社長の太鼓持ちで取締役として機能しない人が多い、というものです。
一方、社外取締役については様々で、社長の友達が形式的に選任され、プロパー取締役同様機能していないという話もあれば、キチンと仕事をしてくれる社外取締役がいて助かっているという話もあります。
実際、前者の会社は一時の勢いに明らかな陰りがみられるのに対し、後者の会社は厳しい経営環境ながら業績を回復させています。
プロパー取締役が太鼓持ちで占められてしまうのは仕方ない(本当はダメなのですが)としても、社外取締役だけは物言える人を据えたいものだ、と感じる今日この頃です。
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