取引基本契約書の基本~「企業会計」2025年8月号~
- 佐藤篤
- 9月9日
- 読了時間: 2分
「企業会計」2025年8月号からの新連載「経理パーソンの仕事に役立つ法律知識」の第1回「取引基本契約書」(平木太生)を読んでみました。
取引基本契約書
ある企業とある企業が今後取引を継続することを予定している時に、各取引の共通となる事項について合意する契約書のこと
「甲乙」という表現が使われることが多いが、単にその後、会社名を毎回書くのが面倒なためそのような書き方をしているにすぎない
個別契約との関係
日々の注文で毎回契約書を作成するのはあまりに煩雑であるため、取引の共通となる、また前提となる事項を定める基本契約を最初に締結する
ただし、基本契約者と個別契約書の間で異なることが定められている場合、個別契約の条項を優先するとしておくことが多い
個別契約は、注文書や口頭での発注で済ませてしまうこともある
契約不適合責任
契約書には納品・検査・検収といった項目が設けられることが一般的
一定期間内に通知を行わなければ合格したものとみなすといった規定を設けることもある
少し前までは、契約不適合責任は「瑕疵担保責任」と言われていた
民法で規定されているが、あくまで「両者が特に何も決めなかった時に適用される」という、任意法規と言われる条文なので、契約書で両者が民法とは異なった定めをすることは可能
所有権の移転
民法では、売買契約が成立した時点、つまり個別契約で注文した時点で所有権は移転することになるが、納品前に所有権移転するのでは売主は納得がいかないため、通常の契約書ではこの点を修正することが多い
所有権移転時点については、売主としてはできるだけ遅くしたい、買主としてはできるだけ早くしたいと考えるのが一般的
危険負担
売買契約としては成立し、一度は買った商品だが、商品の搬送や検査をしている過程で、不慮のトラブルにより商品が届かなかった場合、買主は代金を支払う必要があるのかという問題
感想
初歩的な内容の解説でしたが、民法上の所有権移転時期は忘れがちであるため、覚えておこうと思いました。
それと、使用頻度が少ないということもあって、「契約不適合責任」という言い方に馴染めておらず、つい「瑕疵担保責任」と言いたくなってしまいます。
古い知識が却って邪魔をするパターンがここにも存在していました。
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