公共サービスの特徴と成果情報の要件~「会計・監査ジャーナル」2026年7月号~
- 8月18日
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「会計・監査ジャーナル」2026年7月号に「公共サービスをめぐるガバナンス上の諸課題-パブリックバリューの最大化を目指して-」(高橋宏延、水野泰武)が掲載されておりました。
内容は2026年3月5日にJICPAが開催したセミナーの報告記事です。
「JICPAもいろいろなことやっているのだなあ」と思いつつ読んでみました。
生産性の測定について
サービス産業や公共サービスでは、品質や満足度、アクセスのしやすさ、利用者にとっての安心といった目に見えにくい価値が成果の中核をなすにもかかわらず、それを定量的に把握することが難しい
成果情報の設定においては、測定可能性と政策目的価値の両立が求められ、測れないものを測れないままにするのではなく、どのような仮説・因果関係のもとで、何をもって成果とみなすのかを説明することが、組織の説明責任と改善活動の起点になる
重層的なプリンシパル・エージェント関係について
公共サービスでは、最終的な受益者である国民・市民と、政策立案者、規制当局、サービス提供主体が重層的に関与しており、情報の非対称性が大きくなりやすく、このことが成果情報の測定やガバナンスの実効性を難しくしている
アウトカム情報について
公共サービスにおいては、特にアウトカム情報の測定と活用が課題
アウトプットは提供量等として比較的把握しやすい一方、アウトカムは、利用者の状態変化や社会的影響といった中長期の成果を含み、因果関係が複雑である。そのため、成果情報が「測定のための測定」になりやすい。さらに、測定・開示されても意思決定に活用されない場合、ガバナンスの改善に結びつかない。
公共サービスにおける成果情報について
公共サービスでは、受益者と負担者が一致しない場合が多く、成果情報の文脈を丁寧に示さなければ誤解を招きかねない
公共サービスでは市場による淘汰が働きにくいため、成果情報をどのように使うかについて制度的な裏付け運用上の工夫が必要となる
公共サービスでは組織間の単純比較が難しい場合も多いため、自組織が直面している課題と、それに対してどのような改善を積み重ねてきたのかを示すことが重要な意味をもつ
公共サービスの専門性の高さから、政策当局とサービス提供主体が一体化してしまい、本来あるべき緊張関係が弱まる結果、成果指標の設定自体が甘くなりがちであり、形式的な目標設定にとどまりやすいという問題もある
説明責任のための資料にとどまらず、組織目的の再確認、資源配分の見直し、サービスの改善、さらには制度設計の検証といった場面で参照されて初めて価値の最大化に資する
感想
問題点が明確に提示されており、勉強になりました。
また、公認会計士にとってもビジネスチャンスになり得ると感じた一方で、そのためには成果情報に対するニーズが高まる必要があるのだろうとも思います。
学校法人のように社会を騒がせるような問題でも起こらないと、そうはならない気もするのですが。
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