会計リテラシー・マップ
- 佐藤篤
- 2022年12月13日
- 読了時間: 2分
弊ブログのネタ探しに、過去の会計・監査ジャーナルを眺めていたところ、2021年2月号に『「会計リテラシー・マップ」の公表』という記事が目に留まりました。
「そういえば会計リテラシー・マップってどこかで目にしたなあ」という記憶はあるのですが、自分の仕事に直接関係しないこともあって、特に気に掛けてきませんでした。
これも何かの縁と、当該記事を読んでみました。
以下、当該記事の概要です。
公表した時期
2020年10月
目的
広く国民全体が会計リテラシーを身につけるための前提として、生涯の「どの段階で、何を学ぶか」を体系的に整理する。
会計や教育の専門家でない者でも容易に理解できるよう、全体像を概観することができるイメージ資料を作成する。
作成主体
2019年2月に会計基礎教育推進会議に設置された「会計リテラシー・マップ・教材研究会」
マップ作成の前提となっている、国民が身に付けるべき6つの会計リテラシー
アカウンタビリティの理解
現金収支を記録・管理する技術
利益計算の理解
貸借対照表及び損益計算書の理解・発生主義会計の理解
財務諸表を活用する技術
資産・負債を記録・管理する技術
アカウンタビリティの意味
資金の委託・受託関係を前提として、「受託者が自らの行動を記録し、委託者に報告する責任」と捉えている。これは、会計が、受託者が説明責任を履行するために不可欠なものであるという理解に基づいている。
実際の会計リテラシー・マップはこちら(リンク)になります。
感想
実際にマップを見てみると、中学から財務諸表の見方を学び始めるようになっています。
学校教育でアカウンタビリティや財務諸表に少しでも触れておくことは、就職・転職活動の際や投資を始める際等、人生の様々な場面で役に立ってくれるはずで、このような取組み自体には賛成です。
一方で今の時代、人が主体的に何かを学ぼうとする時は、
人より稼ぎたい
知識の欠如による不利益を避けたい
といった類の何等かの欲望が必要だと思っています。
そういった意味で会計は、株式投資等に際して決算書を理解したい、金融機関の融資担当や事業会社の経理部に配属されたことにより学ばざるを得なくなった、というような状況にならないと必要性を実感し辛い分野です。
国民の会計リテラシーを高めるには、モチベーション面の対応が不可欠だけれども、それって難しいし、結果としてリテラシーが高まることは無いのではないか、と冷めた感想を抱いたのでありました。
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