レベル2に分類される国債
- 2022年9月9日
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2022年3月期の有価証券報告書から「金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項」の注記がなされるようになりました。
少し前のことですが、興味本位で大手金融機関の当該注記を見ていたところ、少額ですがレベル2に分類されている国債があることに気が付きました。
国債は当然レベル1に分類されるものと思い込んでいたので、少し戸惑ってしまいました。
説明書きにも国債は主にレベル1に分類している旨の記載があるのみで、どういった国債がレベル2に分類されているのかまでは読み取れません。
気にはなっていたものの、大手の金融機関の監査に携わっている知人もなく、レベル2国債の謎(?)はそのままになっておりました。
先日、ふとこの事を思い出し、金融商品に詳しい方に聞いてみたところ「確信は持てないが、変動利付国債ではないか」とのことでした。
変動利付国債についてはリーマンショック時に叩き売られたことが原因で流動性が著しく低下し、市場価格を時価とはみなせない状況だということで、平成20年10月28日に企業会計基準委員会から実務対応報告第25号「金融商品の時価の算定に関する実務上の取扱い」(以下「25号」)が公表された経緯があります。
この25号によって変動利付国債の保有者は叩き売られた時の価格で評価せずに済むようになったのですが、代わりにどう評価したかと言うと「経営者の合理的な見積りに基づく合理的に算定された価額」に基づいて評価されることになりました。
具体的には以下の3つの方法です。
取引所等から公表されている類似の金融資産の市場価格に、利子率、満期日、信用リスク及びその他の変動要因を調整する方法
対象金融資産から発生する将来キャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定する方法
一般に広く普及している理論値モデル又はプライシング・モデル(例えば、ブラック・ショールズ・モデル、二項モデル等のオプション価格モデル)を使用する方法
この3つの方法で評価されているとすれば、確かにレベル1には分類出来なさそうです。ただ、リーマンショック時に25号を公表させる原因になった変動利付国債はとっくに満期償還されてこの世に存在しなくなっているはず。
と思い込んでいましたが、よく思い出してみると15年満期だったので、まだ存在していてもおかしくはありません。
何より25号自体とっくに廃止されているはずと思ったのですが、ウェブ検索しても廃止された痕跡が見つかりません(私の調査不足の可能性ももちろんありますが)。25号もまだ生きていました(多分)。
こういった事実を総合的に勘案すると、レベル2に分類されている国債は、25号に基づいて評価されている変動利付国債と思って良さそうです(間違っているかも知れません)。
令和の時代になってまさかリーマンショック時の変動利付国債の会計処理のことをこうしてブログに書くことになるとは思いもしませんでした。
このように廃止されたと思ったのに未だにしぶとく生き残っている(?)実務対応報告等があれば、また弊ブログのネタにしたいと思っています。
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