「時価の算定に関する会計基準」等のポイントに係る解説を読みました~会計・監査ジャーナル2022年3月号
- 佐藤篤
- 2022年2月25日
- 読了時間: 2分
「会計・監査ジャーナル」2022年3月号に「今3月期決算の実務ポイント」という特集が組まれています。この特集、毎年同誌の3月号に組まれるのが恒例でして、今年の繁忙期も遠くないことを知らせてくれます。
この特集の会計編に掲載されている『企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等について』という記事を読んでみましたので、個人的にとったメモをシェアしたいと思います(尚、基準書の項番は省略しました)。
経過措置について
原則は新たな会計方針を将来にわたって適用し、その変更の内容について注記することとされているが、一定の要件のもと、過年度に遡及適用できる。
トレーディング目的で保有する棚卸資産の時価の定義の見直しについては、上記の例外的取り扱いは適用できない。
金融商品会計基準で、その他有価証券の期末の貸借対照評価額に、期末前一か月の市場価格の平均に基づいて算定された価額を用いることができる定めの削除、および市場価格のない株式等以外の時価を把握することが極めて困難な有価証券の定めの削除等の改正にも、上記の例外的な取り扱いは適用できない。
例外的な取り扱いを選択したことにより会計上の資産負債額と税務上の資産負債額に差異が発生した場合は税効果の適用を検討する。
注記関連
上記の例外的な取り扱いを選択した場合には、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に関する注記が必要となる。
現金および短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものについては、注記を省略することができる。
IFRS第13号の開示項目のうち、以下については、情報の有用性や過度な作成コストがかかることを考慮し、注記を求めないこととされている。
レベル1の時価とレベル2の時価との間の振替
観察できないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の影響
投資信託財産が金融商品である投資信託及び投資信託財産が不動産である投資信託のいずれにおいても、基準価額を時価とみなす取扱いを適用した場合には、金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項を注記しないこととされている。
但し、別途「基準価額を時価とみなす取り扱いをしており、金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項の注記をしていない旨」他の注記が必要となる。
最後に
言うまでもないですが、このエントリーは当該記事の全体を網羅したものではありません。私が個人的に留意すべきと感じた部分のみに触れています。
特に、事例は少ないかも知れませんが、経過措置に関連して税効果が生じうる点には気を付けたいところです。
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