インパクトの大きい下請法改正~「会計・監査ジャーナル」2025年10月号~
- 2025年11月4日
- 読了時間: 3分
「会計・監査ジャーナル」2025年10月号に「改正下請法(取適法)の概要と実務への影響〜運用基準案の内容も踏まえて」(高宮雄介)が掲載されておりました。
軽い気持ちで読んでみたのですが、影響を軽く考えていると大変なことになりそうな法改正だと感じました。
以下、概要パートのメモ書きです。
運用基準案については、次回改めて触れたいと思います
適用開始時期と名称
下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)が大改正され、2026年1月1日から施行される
法律名も変更され、新報の名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」となる
現行法における「下請法」に相当する略称として、「中小受託取引適正化法」又は「取適法(とりてきほう)」という呼称が用いられる見込み
尚、以下では、敢えてなじみのある現行法の用語を用いる
以下は改正法の概要です。
1.協議を適切に行わない代金額の決定の禁止
下請事業者と協議を適切に行わずに一方的に代金額を決定する行為が親事業者の禁止行為に追加された(改正後の法5条2項4号)
コストが上昇する局面において、コストアップに見合わない対価を一方的に設定した場合には、仮に当該対価が従来の対価と比べて引き上げられた場合であっても、下請事業者の利益を不当に害する場合には、本禁止行為に該当することになる点に留意が必要
2.手形払等の禁止
下請代金の支払において、手形払によることが明確に禁止された(改正後の法5条1項2号)
電子記録債権やファクタリングによる下請代金の支払に関しても、これらを支払手段とすること自体は禁止しないものの、支払期日までに満額の現金を受領できなければ支払遅延にあたる旨の定めがなされている点に留意が必要
3.運送委託の対象取引への追加
下請法の対象取引に発荷主から元請運送事業者への委託が追加された(改正後の法2条5項、6項)
4.従業員基準の追加
下請法の対象取引を画する基準について、新たに従業員数による基準が追加された(改正後の法2条8項、9項)
具体的には、従業員数が300人超(役務委託等については100人超)の事業者が、従業員数300人以下(役務委託等については100人以下)の事業者に対象取引の委託を行う場合に、下請法の適用対象となる旨の定めが置かれることとなった
下請法の対象取引を委託する事業者に対し、自社が親事業者としての従業員数を満たす場合、取引先事業者の従業員数を網羅的に確認することを義務付けるものであるため、取引実務に与える影響は甚大であり、十分な留意が必要
5.その他(項目のみ)
面的執行の強化
用語の見直し
木型、治具等の扱いの明確化
電磁的方法の利用要件の見直し
代金減額への遅延利息の適用
既往の違反行為に対する勧告規定の整備
感想
昔は気の毒になる位サイトの長い手形をよく目にしたものですが、実務上大分廃れた今になって手形払が禁止されるというのは、それなりに反対も多かったのだろうと想像します。
手形払に限らず、改正の背景を読むと、下請け業者が如何に酷い扱いを受けて来たかが分かるので、興味ある方は「会計・監査ジャーナル」2025年10月号の当該記事を一読されることをお勧めします。
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