「公認会計士の一体的な資質・能力開発について(中間報告)」を読んでみました
- 佐藤篤
- 2024年9月10日
- 読了時間: 3分
JICPAの一体的能力開発検討特別委員会が2024年8月7日付で「公認会計士の一体的な資質・能力開発について(中間報告)」をリリースしております。
一体的能力開発検討特別委員会の存在自体今回初めて知ったのですが、当該リリースで以下のように説明されています(以下引用)。
当委員会は、2022年12月16日開催の理事会の承認を得て設置されて以降、公認会計士の資質・能力開発に係る制度及び運用について、公認会計士試験、実務経験、実務補習・修了考査及び継続的専門能力開発に至る一連の過程を一体的・包括的に検討してきた。
公認会計士キャリアの各段階で、重複等の無駄なく且つ漏れなく能力開発を行うようトータルで検討するのが目的とのことで、今回たたき台が出されたという経緯のようです。
その検討対象範囲の広さ故、当該リリースは結構な分量に及んでおります。
全て読み通すためにはまとまった時間が必要ですが、冒頭に検討結果要旨を設けてくれているので、そこをまず読み、詳細箇所は各人の関心に応じて目を通すことで、効率よく内容把握出来そうです。
内容的に過激な(?)提言はない印象ですが、今後影響が及びそうだと感じたのは以下の通りです。
能力開発制度の横断的な整理
公認会計士試験で確認する能力と、その後の実務補習や修了考査で確認する能力の整理
実務補習と監査法人での研修の整理
公認会計士試験の試験科目の見直し
将来の機動的な変更に備え、現行、公認会計士法で定めている選択科目の具体を公認会計士試験規則(内閣府令)に委任すること
実務補習と修了考査
現状の実務補習の期間(3 年間)の見直しについて引き続き検討
試験方法についても、資料等の持ち込みや CBT(Computer Based Testing)の導入を検討
公認会計士登録後の専門性の表示
公認会計士の専門性の表示とその客観的根拠の在り方について、継続的専門能力開発(Continuing Professional Development)制度における研修との関係なども含めて、引き続き検討
資格取得後の能力開発(CPD)
公認会計士登録後の実務経験の充実や、専門性の拡大・深化に対応したカリキュラムの検討、継続的専門能力開発(Continuing Professional Development)制度における研修の履修単位認定方法及び受講形態等について検討
私のようなベテラン領域の会計士からすると、登録後の専門性の表示とCPDに関心が偏る訳ですが、「公認会計士の専門性の表示」や「公認会計士登録後の実務経験の充実」といった内容がどう具体化されていくのか、気になるところです。
まあ、今回のリリースはたたき台ですので、提言通り全てが進むことはないのでしょうが、少し気にかけておいた方が良さそうだという印象を持ちました。
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