小学生のキャリア教育と公教育~「会計・監査ジャーナル」2024年5月号~
- 佐藤篤
- 2024年5月24日
- 読了時間: 3分
「会計・監査ジャーナル」2024年5月号に掲載されていた『座談会「公認会計士による小学生のキャリア教育」』を読んでみました。
その中から、メンバーの一人である石井卓之校長先生のコメントが現状をよく表しているので、メモ書きしたいと思います。
会計教育事業の概要
2022年の公認会計士法改正によりJICPAの会計教育事業が法律上の位置付けを持つことになった。
↑これを受けてJICPAでは、会計教育事業の内容を大きく3つに整理した。
1.学校の教員への支援
2.各種メディアを使った周知活動
3.小学校高学年から大学までの児童・生徒に向けて、公認会計士が講師となって会計リテラシーや公認会計士について伝える会計教育講座の実施
石井卓之校長先生のコメント
2023年から小・中・高校生対象のキャリア教育講座が始まった。
2017年に出された小学校学習指導要領解説の総則編に「児童が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身につけていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。」と記載されている。
キャリア教育の視点から小・中・高校のつながりが明確になるように学習指導要領が整理された。
中学受験をする児童が非常に多くいる小学校では、低学年のうちは学校の勉強に興味を持って取り組んでくれるが、徐々に受験の先取り学習に入ってしまい、学校の勉強をないがしろにする子供もいる。キャリア教育の中で、社会の活動に携わっている方々に苦労や面白さを交えながら授業してもらうと、子供達の表情が大きく変わる。
教育現場では、残念ながら、お金って怖い・汚い、儲けちゃいけないといった意識が昔からあった。そういう意識を変えたい。
感想
私の頃の公教育は、主に製造業における忠実な従業員且つお上に盾付かない納税者の育成を目的としていたように思われますが、現在の公教育は随分変化しているように感じました。
校長先生がお金への意識を変えていきたいと公の誌面で語るというのはすごいことだと思います。
↑などと書いていたら、タイミング良く、このような動画↓がアップされていました。
また、実際に小学生への授業を担われている会計士さんのコメントに、公認会計士の仕事内容がほとんど子供達に知られていないことが悩み、というのがありました。
これは本当にその通りなのですが、説明したところでピンとこないだろうと決めつけて、何もしてこなかったのも一因のような気がしています。
そういった意味では、いい試みなのかも知れません。
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