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注記・開示上の誤謬の特徴と対策としてのチェックリストの活用~「企業会計」2024年10月号~

  • 佐藤篤
  • 2024年11月1日
  • 読了時間: 2分

「企業会計」2024年10月号の特集「決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備と対策」から、今回は「注記・開示」(井上敏)を取り上げます。

以下、当該論考の一部メモ書きです。


 

注記・開示に関する誤謬の特徴

1.期末日後に発生すること

  • 財務報告に係る内部統制の評価は期末日時点を基準とするところ、注記・開示に関する誤謬は通常期末日後に発生する。誤謬が発生した場合、期末時点に遡って開示書類のチェック体制を構築することはできないため、開示すべき重要な不備に該当するかどうか検討せざるを得なくなる。


2.監査人からの指摘により発見される場合が多いこと

  • 注記・開示に関する誤謬を原因とする決算・財務報告プロセスにおける開示すべき重要な不備の9件中(2021年7月1日〜2024年6月30日に提出された内部統制報告書およびその訂正報告書)、7件は監査人の指摘により修正した旨の記載がある。


3.最終的な開示情報にダイレクトに影響すること

  • 注記・開示の誤謬は、開示書類の財務数値や注記事項の記載内容にダイレクトに影響する。


4.専門性が非常に高いこと

  • 会計基準が年々複雑化しているが、注記・開示の領域についても同様である。

 


対応策の一つとしての表示チェックリストの活用

  • 日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会より、有価証券報告書や半期報告書、会社法計算書類等に係るチェックリストが公表されている(参考に有価証券報告書版へのリンクを添付します)。

  • 従前は、日本公認会計士協会の会員のみに公表されていたが、2024年3月期末から財務諸表の作成者も利用できるよう一般向けにも公表されるようになった。

 


感想

上記の通り、注記・開示に係るミスはダイレクトに開示すべき重要な不備に繋がりかねないのが厄介な点です。

その対応策としての表示チェックリストの活用ですが、今まで一般向けに公表されるようになっていることを知りませんでした。

いざやってみようとすると中々のボリュームで(特に有価証券報告書版)怯むかも知れませんが、思いがけない記載漏れ等を発見できるため、企業の開示担当の方々には是非活用していただきたいと思います。

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