改正学校法人会計基準を一読した際のメモ
- 佐藤篤
- 7月4日
- 読了時間: 3分
少し前のエントリーで、会計監査人による「整合性意見」を取り上げました。
そのきっかけは、2025年度から学校法人へ私学法監査が導入されたことだったのですが、その絡みで改正学校法人会計基準を一読しておりました。
今回のエントリーはその際の個人的なメモ書きです。
ちなみに、学校法人会計基準は、改正前基準含め、初見でした。
計算書類は貸借対照表及び収支計算書、計算関係書類は計算書類プラスその附属明細書。財産目録はどちらにも含まれない。
預り金に係る収入と支出その他経過的な収入と支出及び食堂に係る収入と支出その他教育活動に付随する活動に係る収入と支出については、純額をもつて表示することができる(第4条)
1円単位をもつて表示するものとする(第5条)
減価償却資産の減価償却の方法は、定額法によるものとする(第8条2項)
有価証券の評価は減損のみ
徴収不能引当=貸倒引当金
負債性引当金は今回新設(第11条2項)
収支計算書には①事業活動収支計算書と⓶資金収支計算書及び資金収支計算書に基づき作成する活動区分資金収支計算書がある(第16条)
旧基準における減価償却額の累計額と徴収不能引当金のそれぞれの合計額を脚注として記載する旨の規定は削除され、計算書類の注記事項とされた(第40条)
事業活動収支計算書には、第23条各号に掲げる活動ごとに事業活動収入の部及び事業活動支出の部を設け、事業活動収入又は事業活動支出の科目ごとに当該会計年度の決算の額を予算の額と対比して記載するものとする。(第26条)
収支差額=事業活動収入の額から事業活動支出の額を控除した額
経常収支差額=第23条第1号に掲げる活動の収支差額に同条第2号に掲げる活動の収支差額を加算した額
基本金組入前当年度収支差額=経常収支差額に第23条第3号に掲げる活動の収支差額を加算した額
当年度収支差額=基本金組入前当年度収支差額から基本金組入額を控除した額
支払資金=現金及びいつでも引き出すことができる預貯金をいう
セグメント(学校法人を構成する一定の単位をいう。)情報、重要な偶発債務、子法人に関する事項 、学校法人の出資による会社に係る事項、関連当事者との取引の内容に関する事項、学校法人間の財務取引、重要な後発事象が注記項目として新設(第40条)
財産目録は、当該会計年度末現在(学校法人が成立した日における財産目録は、当該学校法人が成立した日)における全ての資産及び負債につき、その名称、数量、金額等を詳細に表示する(第43条)
財産目録の作成に当たっては、当該学校法人の収益事業会計に対する投資とこれに対応する収益事業会計の資本との相殺消去その他必要とされる事業相互間の項目の相殺消去をする(第44条)
※会計監査人非設置知事所轄学校法人に関する特例、放送大学学園に関する特例は省略
感想
減価償却が定額法のみだったり、負債性引当金に係る規定が今回新設だったりと、企業会計にしか馴染みのない私には、いろいろ新鮮に感じられました。
また「計算書類」と「計算関係書類」が使い分けられている点は少し注意が必要だなとも感じました。
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