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学校法人における不正事例に係る研修を受けてみました

  • 佐藤篤
  • 8月12日
  • 読了時間: 2分

2025年度から学校法人に対する私学法監査がスタートし、私も関与することになったのですが、学校法人の監査には馴染みがなく、業務上のポイントがわかっていません。

そういう訳で、JICPAのeラーニングで「学校法人における不正事例 」研修を受講してみました。

 

当該研修では一般的な不正にも触れられていたのですが、その中から個人的に「学校法人ならではだな」と感じた部分を以下にメモ書きしたいと思います。

 

不正な財務報告の例

  • 理事者が意図的に入学に関する寄付金を後援会等で収受することにより、学校会計から除外する。

  • 補助金交付要件を満たすため、学生数を過大又は過少に算出したり、教職員数を過大に算出したりする。また、補助金対象外の支出を補助金対象項目へ含めて計上する。

  • 本来負債計上すべき項目を寄付金収入や現物寄付として処理したり、経費処理すべき項目を資産として処理したりする(大学等を新設・増設する場合に係る寄附行為変更の認可申請においては、負債率や負債償還率等の審査基準をクリアする必要がある)。

  • スクールバス等の補助活動を実施しているにもかかわらず、消費税等の税負担を避けるため、理事者が後援会により実施しているものとして預り金処理を行い、その収支差額を寄付金として受け入れた形で処理する。

 

資産の流用の例

  • 運動部担当の教員が運動部の保護者からの寄付金を受け取り、個人的な支出に流用する。

  • 音楽ホール、体育館、教室、楽器等の機器備品の受取利用料を担当者が私的流用する。

  • 教授が自分のゼミ学生を研究用のアルバイトに採用したものとしてアルバイト代を架空請求する。

  • 購買担当者が、教材の購入費用として生徒から集金した際に預り金計上せずに簿外処理とし、購入した際に業者から受け取ったリベートを生徒に返金しないで私的流用する。

  • 架空の支出を偽装する等の方法で私学研究費補助金を不正受給し、他の研究又は指摘に流用する(私学研究費補助金は担当研究者の自由裁量の余地が大きい)。

 

感想

箇条書きすると、

  • 補助金関連の業務フローの理解は大事

  • 後援会等の外部組織が悪用されがち

  • 不正な財務報告に係るリスクよりも資産流用に係るリスクの方が大きそう

  • 組織ぐるみの不正よりも理事長や教授を含む個人プレーが多そう

といったところでしょうか。


新学校会計基準への対応もありますし、思っていた以上に検討すべき事項が多そうです。

 

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