変動型住宅ローン割合、貯蓄から投資で円安、地政学リスクの記載~最近の経済ニュース~
- 佐藤篤
- 2022年7月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月7日
最近のテレ東の朝の番組(モーサテとモープラFT)で気になった経済ネタ3本です。
住宅ローンの変動金利割合が高い
アメリカのインフレが一時的ではないことがわかり、FRBが利上げをちらつかせ始めた頃,
私は日銀も追って利上げすると読んでいました。
FRB利上げで日米金利差拡大
ドル高円安の進行
燃料、食料等の輸入物価上昇により政権支持率低下
日銀利上げ
という流れを踏むと考えたのです。
3.までは読み通りに進みましたが、日銀の利上げは読み違えてしまいました。
利上げできない理由としてよく言われるのは、今利上げすると中小企業が持たないというものですが、日本における金利変動型住宅ローン割合の高さも一因かも知れません。
住宅金融支援機構による2022年4月の調査によると、住宅ローン残高全体に占める変動型の割合は73.9%とのことです。
これがどれほど高いかの目安として、アメリカの現在の変動型の割合は10%未満で、金融危機前の2005年でも30%程度でした。
その程度の割合でもあれだけの金融危機を誘発したことを考慮すると、日本における金利変動型住宅ローン割合の高さは金融危機のマグマだ、との指摘でした。
このマグマを爆発させずに日銀が利上げするには、企業が賃上げして家計の住宅ローン支払余力を高めるのが一つの方法ですが、大企業はともかく、そもそも利上げに堪えられない中小企業が賃上げできるのかは疑問です。
結局、しばらくの間は日銀の利上げは期待できず、円安とそれに伴う物価高に堪えるしかないのかも知れません。
「貯蓄から投資へ」で円安に
今年の5月に岸田総理がロンドンで「インベスト・イン・キシダ」と講演の中で述べ、貯蓄から投資への転換を政策的に進めようとしていますが、その結果として円安に拍車がかかっているという話です。
結局みんな日本ではなくアメリカをはじめとした海外へ投資してしまうため、結果として円売りになってしまうということのようです。
なんとも皮肉な話ではありますが、インデックス投資しかしないという層にとって、日本株インデックスが投資対象にならないというのは理解できるところです。
一方でこういった可能性は政策を立案する段階でも議論されているはずであり、何か別の政策意図があるのかも知れません。
それが何なのか、私には想像もつきませんが。
有価証券報告書への地政学リスクの記載
当然といえば当然ですが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、有価証券報告書における地政学リスクに関する記載が急増しているとのことです。
試しにEDINETを用いて以下の条件で検索してみたところ、322件が該当しました、
時点;6月30日夕方
対象;2022年3月期有価証券報告書の事業等のリスク
キーワード;地政学
ちなみに上記の対象を2021年3月期有価証券報告書へ変更した場合、該当件数は33件でした。
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