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公認会計士・監査審査会の令和7年モニタリングレポートのポイント~「企業会計」2026年1月号~

  • 2月5日
  • 読了時間: 4分

「企業会計」2026年1月号の時事解説「公認会計士・監査審査会の最近のモニタリング活動―令和7年モニタリングレポートのポイント」(井戸田秀人)を読んでみました。

以下、その一部のメモ書きです。

 

監査業界の概観

  • 上場会社等に対する金融商品取引法または会社法に基づく監査については、監査証明業務数では5割超、監査業務収入では8割超が大手監査法人へ集中している

  • 上場国内会社(3,922社、令和6年度末)の監査における監査事務所の規模別シェアでは、上場国内会社の約6割、時価総額ベースで約9割を大手監査法人が監査している

 

審査会のモニタリング~検査の実施状況

  • 大手監査法人については、原則2年に1度の頻度で通常検査を実施し、その翌事務年度に改善状況の検証を目的とするフォローアップを、原則、報告徴収により実施(前事務年度に実施した通常検査の結果等を踏まえて検査により実施する場合がある。)

  • 準大手監査法人への検査については、令和7事務年度より2年に1度の実施とする

  • 中小規模監査事務所については、日本公認会計士協会の品質管理レビューでの指摘状況等を踏まえ、必要に応じて検査を実施

 

審査会のモニタリング~不備の特徴

(大手監査法人)

  • 品質管理部門と事業部との連携は進んでいるものの、改善施策の監査現場への浸透状況や実効性の検証等が課題

(準大手監査法人)

  • 品質管理を担う人員が限られていることや、最高経営責任者を含む経営層において、品質管理の確保・向上に対する意識や品質管理部門との連携の必要性についての認識が不十分な点がみられる

(中小規模監査事務所)

  • 最高経営責任者の品質管理に対する意識が不十分

  • 現行の監査の基準が求める品質管理や監査手続の水準に対する理解が不足している

  • 品質管理レビュー等での指摘事項に対して、同様の不備の発生を防止するために必要となる根本原因分析が十分に行われていない

  • 職業的専門家としての倫理観が欠けており、誠実性・信用保持を軽視する風土が形成・助長される状況(監査調書の組織的な改ざん)がみられた

(個別監査業務の検証を通じて把握した不備の特徴)

  • 監察事務所の規模にかかわらず、実証手続(分析的実証手続や詳細テストといった、重要な虚偽表示リスクに対し取引種類、勘定残高及び注記事項に関して実施する監査手続)の不備が最も多く、会計上の見積りの監査に係る不備も多い

 

審査会のモニタリング~総合評価

  • 審査会は、監査事務所の業務管理態勢、品質管理態勢及び個別監査業務の状況に応じて5段階の総合評価を付している

  • 直近5年間(令和2事務年度から令和6事務年度までの間に着手し終了した通常検査)における総合評価では、最上位の区分に該当する監査事務所はない

  • 中小監査事務所においては、大手・準大手監査法人と比べて総合評価の低いところが多いが、これは、品質管理態勢を早急に確認する必要がある監査事務所を主に選定していることも一因

 

会計監査人の異動

  • 上場国内会社の会計監査人の異動状況は、令和7年6月期(令和6年7月から令和7年6月まで)は205件となり、全体の件数は、ここ3年間ほぼ同水準

  • ここ3年間減少傾向にあった大手監査法人から準大手監査法人または中小規模監査事務所への変更が、令和7年6月期では増加に転じている

  • 中小規模監査事務所間での変更も増加している

  • 現行の会計監査人が、監査契約の締結を辞退する件数も多くなっている。十分な人員の確保が見込まれないことや、上場会社等監査人名簿への登録が認められなかったことが理由。

 

四半期報告書制度の廃止の影響

  • 任意レビューを実施しない場合の業務量や報酬等の変化について、大手監査法人では任意レビューを実施した場合と顕著な差はみられない一方、準大手監査法人ではわずかな減少が見られ、中小規模監査事務所では10%以上減少した例もある

 

感想

全体的に直感に反しない内容でしたが、大手監査法人から準大手監査法人または中小規模監査事務所への変更が増加に転じていることは少し気になりました。

それと、四半期報告書制度廃止の報酬への影響が規模によって異なるのは面白い傾向だと思います。

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