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一週間で2回の業績予想修正~アルフレッサホールディングス㈱~

  • 佐藤篤
  • 2022年11月4日
  • 読了時間: 2分

2022年11月1日にアルフレッサホールディングス株式会社(以下「アルフレッサHD社」)が「業績予想の修正に関するお知らせ」をリリースされておりました。

内容は業績の下方修正なのですが、その要因として取引先の債権に取立不能の恐れが生じたことと説明があります。

それ自体はよくあることなのですが、今回のアルフレッサHD社のケースが珍しいのは、当該リリースの数日前の2022年10月27日にも「業績予想の修正に関するお知らせ」をリリースしていたことです。この10月27日のリリースは業績予想の上方修正でした。


月末付近は支払が集中するため、そこで決済資金を確保できずにバンザイしてしまうことがよくあり、元々要注意なタイミングです。

それが小口の取引先なら良かったのですが、今回のアルフレッサHD社のケースでは大口の取引先で取立不能が発生してしまい、業績への影響が無視できない程大きく、不幸にも一週間で2度の業績予想の修正を行わなければならなくなったのでしょう。


ただ不思議なのは、アルフレッサHD社は医薬品の卸売を生業にした会社で、販売先の与信管理は在庫管理と並んでビジネスの生命線であり、今回取立不能となった大口販売先の財務状況の把握は随時行っていたはずですし、予め貸倒引当金を十分に積んでおけばこんなことにもならなかったはずです。

もちろん全くのノーマークだった大口販売先が突然取立不能になることもありますので、何とも言えないのですが。

その辺りの事情は決算説明の際に明らかになるでしょう。


ところで一週間で2度の業績予想修正リリースの原因となった取立不能ですが、年末年始やゴールデンウィークは要注意です。月の終わりから翌月の上旬にかけて休日が続くため、夜逃げ等行方を晦ますには絶好の時期なのです。

金融機関の会計監査を行っている会計士は連休明けに「 どこか取立不能ありましたか」と被監査金融機関に質問するのが定番になっています。


と、ここまで書いて、年末年始が遠くないことに気が付きました。

所謂ゼロゼロ融資の返済も始まり、今後もクレジット関連のイベントについては注視していく必要があるな、と感じています。

杞憂に終わればいいのですが。

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