インフレ下での企業決算、銅はなぜ景気の先行指標なのか~最近の経済ニュース~
- 佐藤篤
- 2022年7月26日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年10月7日
最近のテレ東の経済番組で面白かった話2本です。
インフレ下での企業決算
日本、米国ともに決算発表シーズンを迎えていますが、米国に関しては事前予想を上回る決算結果が多いようです。
その要因の一つとして、企業業績は「実質」ではなく「名目」であるため、インフレによって数字がかさ上げされている点が挙げられていました。
それを踏まえて米国企業決算をみる際の要注意ポイントは以下の5つとのことです。
高コスト体質
負債が多い(利上げの影響)
景気敏感
海外売上比率が高い(ドル高の影響)
中国向けビジネス比率が高い(ロックダウンの影響)
感想
当然ですが、米国と日本では、決算をみる際の要注意ポイントも異なるものだなあ、と思いました。
金利据え置きの日本では、今のところ負債の多さは気にしなくていいですし、円安の影響で海外売上比率の高さは決算に有利に働きます。
一方で中国のロックダウンの影響は米国企業以上に悪い影響が及ぶ企業も少なくないと思われ、現在もBA5型が大流行している中、引き続き気になるポイントです。
銅はなぜ景気の先行指標なのか
最近銅価格が急落しているようです。
その銅価格は「ドクターカッパー」と言われ、景気の先行指標として捉えられています。
その要因は以下の2点にあるとのことです。
色々な用途として多くの工業製品に使われているため、景気に先行しやすい。
OPECのような価格カルテルが存在しないため、価格が景気を反映しやすい。
一方で、以下のような特徴もあるようです。
先行指標と認識されているが故に株式投資家がポートフォリオに銅を入れるようになったため、結果として株価との連動が強まっている。
銅の使用量の半分近くを中国が占めているため、中国の状況を反映しやすい。但し、パンデミック以降はその連動性が弱くなっている。
感想
気になったのは、株式投資家のポートフォリオに銅が入っている点です。
銅価格下落→景気悪化懸念→株価下落
の流れだと思っていたものが、
株価下落→銅価格下落→景気悪化懸念
である可能性もあると言えそうです。
パンデミック以降の中国製造業PMIとの連動性の低下も、銅価格に対する実需の影響が低下し、投機の影響が強まっていることを示唆しているように思われました。
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