『「管理会計の基本」が全てわかる本』を読んでの感想
- 佐藤篤
- 2024年8月13日
- 読了時間: 2分
弊ブログで以前、このようなエントリーをアップしました(リンク)。
そこで取り上げた『「管理会計の基本」が全てわかる本』(金子智朗著)を一読しました。
帯に「累計5万部突破」とあるように、この手の書籍としてはかなりの売上のようで、それも納得な内容でした。
以下、一読しての感想です。
形式面
対話形式でわかりやすく書かれているため、今まで管理会計に触れる機会がなかった、企業の経営意思決定に関わるポジションにいる方にお勧めです。
また、各項目の最後に「まとめと演習」があって、再読時はまずそこに目を通し、忘れている又は理解が不十分な箇所だけ再読するという方法をとることで、効率的に学習できる工夫がなされています。
内容面
管理会計に関して何となく感じていた違和感のようなものが明確に言語化されていると感じました。
少し例を挙げてみます。
「限界利益がプラスならば、やらないよりはやった方がいい」というのは、手余り状態(供給能力>需要)であることが 大前提。
手余り状態(供給能力>需要) の場合は、業務効率化による経済効果は時間に対する変動費 が削減されるだけで、その削減額は一般的に小さい。
手不足状態(供給能力<需要) の場合は、業務効率化によって増産ができるので、売上増加に伴う利益増加が見込める。
これらはほんの一例で、まだまだいくつもこのような知見が散りばめられています。
また、昨年の今頃、ITパスポート試験の勉強をしていたのですが(リンク)、対策テキストにバランスト・スコアカード(BCS)の解説がありました。
その時は大まかな内容を暗記しただけだったのですが、今回読んだ本では1章丸々BSCの解説に割かれており、実務への展開方法が理解できたと同時に、何故ITパスポート試験で度々出題されてきたのかがわかった気がします。
まとめ
対話形式で読みやすく書かれた本、つまり初学者が想定読者である(と思われる)にも関わらず、私のように会計士試験で原価計算を学んだ者でも新たに得られた知識は少なくありませんでした。
そういった意味では、管理会計の初心者からベテランまで、一読する価値がある本だと思います。
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