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「金融商品に関する会計基準(案)」から「予想信用損失」の原則的な算定方法~「会計・監査ジャーナル」2026年2月号~

  • 2月20日
  • 読了時間: 3分

「会計・監査ジャーナル」2026年2月号に『企業会計基準公開草案第89号「金融商品に関する会計基準(案)」等の概要』(川西安喜、紙谷孝雄)が掲載されておりました。

 

前エントリーでは、当該解説記事を基に、「信用リスクの著しい増大」に関する判定をどう行うかについて触れました。

 

今回は予想信用損失の原則的な算定方法について触れたいと思います。

 

原則的な算定方法

  • IFRS第9号の予想信用損失モデルと同様に予想信用損失を算定する

  • 予想信用損失とは、「信用損失を確率荷重したもの」を言う

  • 信用損失とは、「企業に支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、企業が受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額(すなわち、すべてのキャッシュ・フローの不足額)を現在価値に割り引いたもの」を言う

  • 予想信用損失の算定に使用する見積期間は、原則として、貸手が信用リスクに晒される契約上の最長期間を用いる

  • 予想信用損失は、以下を反映する方法により算定する

    • 一定範囲の生じ得る結果を評価することによって算定される偏りがなく確率加重された金額

    • すべての考えうるシナリオを特定する必要はないものの、信用損失が発生しないことが最も可能性の高い場合や信用損失が発生する可能性が非常に低い場合であっても、信用損失が発生する可能性と発生しない可能性の両方の可能性を反映して、信用損失が発生するリスク又は確率を考慮する

(貨幣の時間価値)

  • デフォルトが発生すると予測される時点までの期間ではなく、期末までの期間にわたり、予想信用損失を割引くことで貨幣の時間価値を考慮する

  • 割引を行う際には、原則として債権等の発生の認識時における実効金利又はその近似値を用いる

(過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測に関して、期末において過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報)

  • 予想される期限前償還の影響、借手に固有の要因、一般的な経済状況、及び期末における現在の状況と将来の状況の両方が含まれる

  • 貸倒実績などの過去の情報を用いる場合には、期末において観察可能なデータに基づいて次の調整を行う

ア)過去の期間に影響を与えていない現在の状況及び将来の状況の予測を反映する

イ)過去の期間における状況のうち、将来の契約上のキャッシュ・フローに関連性のない状況の影響を除去する

  • 観察可能なデータの期間ごとの変動と予想信用損失の変動との間で相関関係が見られる場合、観察可能なデータの変動を予想信用損失の算定に反映する

  • 観察可能なデータには、次が含まれる(例示列挙)

    • 国内総生産

    • 失業率

    • 不動産価格や商品価格

    • 借手の支払状況

    • 金融商品又は金融商品グループにかかる信用損失の兆候となる他の要因

 

収益認識会計基準の範囲に含まれる取引から生じた受取手形、売掛金等に係る予想信用損失に関する実務上の便法

  • IFRS第9号において定められている実務上の便法を取り入れ、12ヶ月又は全期間の予想信用損失を算定する際、貸倒実績に基づき、一定の期日経過日数(例えば、期日未経過、1ヶ月以内期日経過、1ヶ月超3ヶ月以内の期日経過、3ヶ月超6ヶ月以内の期日経過等)に応じた引当率を定める方法を用いることができる

 

以上は原則的な方法であり、別途簡素化された方法も示されていますが、次回廻しにします。

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