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「金融商品に関する会計基準(案)」から「信用リスクの著しい増大」の判定~「会計・監査ジャーナル」2026年2月号~

  • 2月17日
  • 読了時間: 3分

「会計・監査ジャーナル」2026年2月号に『企業会計基準公開草案第89号「金融商品に関する会計基準(案)」等の概要』(川西安喜、紙谷孝雄)が掲載されておりました。

 

前エントリーでは、当該解説記事を基に、検討における6ステップに従って本公開草案の概要についてまとめました。

今回は「信用リスクの著しい増大」に関する判定をどう行うかについて触れたいと思います。

 


相対的アプローチ

  • 債権等の発生の認識以降に信用リスクが著しく増大した場合に全期間の予想信用損失を見積るモデル

 


信用リスクの著しい増大に関する判定


(原則的な判定方法)

  • 期末において、債権等の発生の認識以降におけるデフォルト発生リスクの変動に基づいて債権等に係る信用リスクが著しく増大しているかどうかを判定する

  • 期末において信用リスクが著しく増大していない債権等については12ヶ月の予想信用損失を算定する

  • 期末において信用リスクが著しく増大している債権等については全期間の予想信用損失を算定する

  • 信用リスクが著しく増大しているかどうかの判定においては、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測に関して、期末において過大なコストや労力を掛けずに利用可能であり、債権等に係る信用リスクに影響を与える可能性のある合理的で裏付け可能な情報を考慮する

  • 本公開草案では、信用リスクが著しく増大しているかどうかの判定において債権等の商品ごとに適切なアプローチを用いることとしており、明示的にデフォルト発生確率をインプットとして含んでいないアプローチ(貸倒実績率を用いるアプローチなど)についても、デフォルト発生リスクの変動を予想信用損失の他の発生要因(担保など)と区別できる場合には、信用リスクが著しく増大しているかどうかの判定の際に適切なものとなる可能性があるとしている

 

(簡素化された判定方法)

  • 債務者の財政状態及び経営成績等に応じて付与している内部信用格付を活用して判定する方法を用いることができる

  • 当該方法においては、期末において債務者を正常先、その他要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先または破綻先に区分し、さらに正常先に区分される内部信用格付を優良格付、中間格付及び要判定格付に区分する。その上で、正常先の優良格付又は中間格付に区分された債務者に対する債権等については債権等に係る信用リスクが著しく増大していないとみなす。

  • 正常先の要判定格付、その他要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先又は破綻先に区分された債務者に対する債権等については債権等に係る信用リスクは著しく増大しているとみなすこととしつつ、正常先の要判定格付又はその他要注意先に区分された債務者に対する債権等については、それぞれ一定の要件を満たした場合には債権等に係る信用リスクが著しく増大していないと反証することができる

 

(一般事業会社の通常の営業取引から生じる受取手形及び売掛金等、並びにリースにより生じた債権に関する単純化したアプローチ)

  • 重要な金融要素を含まない受取手形及び売掛金等については信用リスクの著しい増大の判定をせずに全期間の予想信用損失に等しい金額により算定する

  • 重要な金融要素を含む受取手形及び売掛金等、並びにリースにより生じた債権については会計方針の選択として全期間の予想信用損失に等しい金額により算定することをそれぞれ独立して選択できる

 


感想

貸倒実績率を用いるアプローチが、限定的とはいえ、判定に利用可能というのは今一つ理解できていません。予想信用損失を算定する異議が骨抜きになってしまう気がするのですが。

この辺りは事例解説等でフォローしていこうと思っています。



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