「生成AIの可能性と会計監査への活用(後編)」を読んでみました~「会計・監査ジャーナル」2026年4月号~
- 4月24日
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「会計・監査ジャーナル」2026年4月号に掲載されていた「生成AIの可能性と会計監査への活用(後編)」を読んでみました。
監査法人内での生成AIの利用状況
当初は利用が進まなかったが、様々な施策を行った結果、現在では7割から8割ぐらいの社職員が利用していると思われる
監査法人内で生成AIの利用を促進する理由
基準や相談事例を取り込んだ生成AIの活用を通じて、若手公認会計士が熟練公認会計士のアイディアを取り込み、論点の見逃しや誤解を防ぐという監査品質向上の側面が重要
昨今では監査の作業量が非常に多く、やりがいを感じにくいという声も挙がっているところ、公認会計士が使う時間を本来やるべき仕事(会計論点に関連するデータを分析してどう解釈するか、論点の結論を整理して被監査会社とどのようにコミュニケーションするか)にシフトさせていくための一つの手段として生成AIに期待している
生成AI利用に伴うリスクへの対応
多くの中小監査事務所では専用の閉鎖的な環境を構築するリソースが不足している
セキュリティが強化された生成AIの組織向けプラン(モデルの再学習に利用されない、各ユーザーが学習機能を有効化できない、プロンプトはセッション終了後に削除される)の利用を検討することが良いのではないか
生成AIによるアウトプットの精度は完全ではないため、必ずファクトチェックすることを組織内で強調している
領域ごとのAIの向き不向きに関する感覚は、AIを実際に使わないと掴めないと思われる
AIと公認会計士の役割分担
AIは、過去のデータから確率の高いものを計算して出力するので、新たな事象に対してはあまり有効ではなく、監査現場からは、既存の基準や過去事例にない案件こそが相談として寄せられている
AIをどのように利用するかといった判断も含めて根っこの部分では人間が責任を持つということは変わらない
一方で現在スタッフが担っているような定型業務を中心にAIに置き換わっていく可能性は高い
仮にAIに監査の大部分を任せることができるようになったとしても、AIそのものの信頼性を評価するという仕事は必要になるであろう
公認会計士としての職能基準がシフトし、「強い公認会計士」の定義が、基準に大変詳しいことに加え、プレゼンテーション能力に長けている人に変わっていく可能性はあり得る
感想
会計士の立場からすると、自分達の仕事がなくなっては困るという思いから、生成AIに関する将来見通しについても希望的観測を含んだ意見になりがちで、今回取り上げた記事もそういう面が多少はあるように感じました。
個人的には、オンプレミスで環境構築出来ないうちは業務に利用できないと思っているのですが、一方で取り残される感もあって、何とも複雑な気持ちです。
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