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「属人化」が起こる状況とその問題点~「企業会計」2026年6月号~

  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

「企業会計」2026年6月号の特集2「属人化はなぜ止まらない」から「属人化の正体」(玉井照久)を読んでみました。

 

著書による属人化の定義

組織の業務プロセスにおいて、その継続的な遂行とそれにより実現される品質が、1人または少数の特定個人の知識・技能・判断等に構造的に依存しており、当該個人の不在時には業務の遂行または品質の維持が著しく困難となる状態を言う。ここで品質とは、正確性・適時性・準拠性等、当該業務プロセスに求められる成果の水準をいう。

 

属人化が発生しやすい状況

  • 高度な専門性・暗黙知を要する業務

    • 会計上の見積りや複雑な税務判断など

  • 非定型・例外処理が多い業務

    • 担当者ごとに処理方法が異なりやすい

  • 発生頻度が低い業務

    • 同じ担当者が継続して実施しがち

  • 文書化・マニュアル化の不備

    • そもそも存在しないだけでなく、作成後に長年改定されず実態と乖離している状態を含む

  • 業務のブラックボックス化

    • 特定の担当者が一連のプロセスを独占し、その内容が他者から見えない状態

  • 職務分掌の不徹底

    • 広範囲な業務が同一人物に集中

  • ローテーションの不在・形骸化

  • 過度な効率志向

    • 手順書などの文書化、業務の標準化、後進の育成が後回しにされがち

  • 個人利用ツールへの依存

    • 他者からのチェックが入らない

  • 自社開発システム(ERP等のカスタマイズを含む)

    • 保守を繰り返すうちに、一部の担当者にしか判断できないことが増える

  • 属人化を問題と認識しない組織文化

    • 属人化がむしろ肯定的に評価されることがある

  • 情報共有インセンティブの欠如

    • 自らの価値の低下を避けるべく意図的に属人化を維持しようとする個人の行動が黙認される場合、評価・報酬制度が知識共有を促進しない設計になっていることがある

 

属人化が引き起こす問題

  • 内部牽制の不在と承認・レビューの形骸化

    • 担当者を管理するべき上席者においても業務の詳細が把握できなくなる一方、担当者への信頼、業務を中断させることへの躊躇、無能な管理者と評価されることへの恐れなどから、承認してしまうことがある

  • 情報のコントロール

    • 担当者の怠慢や不正な意図により、情報伝達しなかったり、歪めて伝達したりしても発覚しづらい

  • モニタリング不能

    • 職務分掌が機能し複数の担当者が関与している状況では、伝票、文書、メール、チャット等が利用され、これらが監査証拠となって、内部監査等によるモニタリングが可能となるが、属人化された業務では証拠が残らないことがある

  • 事業継続への支障

    • 担当者不在により事業継続に深刻な影響を及ぼすことがある

  • 品質・生産性の不安定化

    • 担当者の能力や体調などによりばらつきが発生することがある

  • 取引先との関係維持

    • 顧客や業務委託先との関係が特定の個人に依存している場合、この個人の退職によって顧客等との契約維持が難しくなることがある

 

感想

網羅的でわかりやすい論考でした。

結局のところ、属人化は経営者による過度な効率化と短期志向に根本的な原因があるように感じました。

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