JICPA南成人会長の展望~「企業会計」2026年9月号~
「企業会計」2026年9月号の特集は「監査法人はどこから来てどこへ行くのか」でした。
なかなかインパクトのあるタイトルで、業界関係者としては嫌でも気になってしまうところです。
その特集の中から、JICPA南成人会長の寄稿「信頼を創り、次世代へ繋ぐ監査の展望」を読んでみました。
会計士を取り巻く環境変化
公認会計制度の根幹には、資本市場における財務情報の信頼性を担保し、投資家をはじめとするステークホルダーの意思決定を支えるという使命がある。この点は、制度創設以来、一貫して変わらない中核的な職能である。
一方で、近年は人的資本、ガバナンス、気候変動対応をはじめとするサステナビリティ情報への関心が急速に高まっている。投資家の意思決定においても、非財務情報の重要性はますます高まっており、その信頼性をどのように担保するかが新たな課題となっている。さらには、その非財務情報と財務情報のコネクティビティも重要となっており、そこに公認会計士に求められる重要な役割がある。
監査の現場においても、大量データの分析や異常値の検出など、AIの活用による監査手法の高度化・効率化が進みつつある
大手監査法人と中小監査法人の役割と未来
大手監査法人は、近年、AIやデータ分析技術を活用した監査手法の高度化を進め、監査品質の向上と効率化の両立に向けた取り組みを行っており、業界全体に大きな影響を与えている。そのため、単に個別の監査品質を確保するだけでなく、業界全体を牽引し、その発展を支えていくことへの期待が大きい。
準大手監査法人を含めた中小監査法人は、その機動性や企業との距離感の近さを生かして、IPO準備会社、新興市場に上場する成長企業、地域企業、特定業種等において強みを発揮しており、多様な企業の支え手となることが期待される。
課題
監査法人に所属する(JICPAの)会員は全体の約4割にとどまっている。監査人材の確保が業界全体の持続可能性を考える上でも極めて重要。
社会の信頼を支えるという監査の役割は、他の専門職にはない大きな魅力であり、その価値を正しく発信していくことが、将来の担い手を育む基盤となる
監査法人の社員数のあり方を含め、将来にわたって監査品質を支える組織基盤の整備について検討を進めていく必要がある
資格取得後も継続的に専門性を高めるための取り組みが不可欠である
感想
特に目新しい内容はなかった印象です。
一方で、「投資家の意思決定においても、非財務情報の重要性はますます高まっており、」と述べられていますが、個人的には疑問を持っています。
南会長の立場からすれば、そう言わざるを得ないことは重々承知してはいるのですが。
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