AIによる有報開示チェックの実際
- 8月4日
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先日、JICPAのe-ラーニングで「AIと会計監査の未来」と題された研修を受講しました。
全体的に面白い内容でしたが、その中から、個人や小規模会計事務所の参考になりそうな「監査におけるAIの利用状況(中小法人のケース)」(井原文彦)のパートを取り上げます。
利用しているAIツール(Saas)の機能
開示チェック機能
有価証券報告書・短信の開示書類内の自動整合チェック機能及び前期数値との整合チェック機能
入力補助機能
AI-OCR機能(手書き文字や画像データをテキストに変換する機能)及びテーブルクリップ機能(証憑内のテーブルデータを識別し、Excelに出力できる機能)
AIによる有価証券報告書チェックの実際
前期と当期の有価証券報告書を解析し、前期数値との整合性及び開示書類内の整合性のチェックを行った
チェックエラーの例
当期のハイライト情報が「経常利益」である一方、前期のハイライト情報上は「経常利益又は経常損失」であった場合に非整合との結果が出力された
タテ計チェックは切捨て表示ゆえに、たまたま一致する場合以外、全てエラーと結果表示された
SGAの主な内訳の注記はP/L本表と整合する数値がないため、不一致と結果表示された
メリットと感じた点
処理能力の高さ
AIによる開示チェックに要する時間は約150ページで約3分程度
正確性の高さ
人間のような疲労や感情によるばらつきがなく、再現性が高い
利用者の制約条件がない
担当者の知識レベルは不問であるため、アシスタントによるチェックが可能
デメリットと感じた点
利用できる開示書類が限定的
IFRS未対応
開示書式が自由である計算書類や附属明細書には対応できない
基準改正などの状況変化への適応性が低い
感想
実際の利用結果をみると、正直「その程度か」と思いますが、一方で時短効果と品質安定度については魅力的です。
1社分当たり数千円程度のコストなら利用価値はありそうだなと感じました。
ただ、利用のためには被監査クライアントの承諾が必要となりますが、学習利用をオプトアウトしても、感情論として嫌がられそうだなとも感じています。
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