2024年3月期の自発的な会計方針の変更~「企業会計」2024年12月号~
- 佐藤篤
- 2024年12月27日
- 読了時間: 2分
「企業会計」2024年12月号に「特別企画 決算開示のトレンド2024」が掲載されておりました。
この記事の分析を自分で行おうとすると結構時間を取られてしまうので、個人的にはありがたい企画だと感じております。
その中から「会計方針の変更」パートの「自発的な変更」を取り上げます。
分析対象
2024年3月31日に終了した会計期間の日本基準に基づく連結財務諸表(連結財務諸表を作成していない会社については個別財務諸表)を含めた有価証券報告書を提出したJPX日経400採用企業194社
以下、主な変更内容です。
固定資産の減価償却方法の変更(定率法→定額法);1件
変更理由は、この変更では最も一般的な理由である「資産の安定的な稼働」であった。
当該変更により税引前利益は増加した。
棚卸資産の評価方法の変更(最終仕入原価法→総平均法);1件
変更理由は、原材料価格の高騰を受けて、より適正な期間損益計算及び在庫評価を行うため。
当該変更による税引前利益への影響はなしor軽微
外貨換算方法の変更(期末日レート換算→期中平均レート換算);1件
一時的な為替相場の変動による期間損益への影響を緩和することを意図した変更
当該変更による税引前利益への影響はなしor軽微
その他の変更
収益の認識方法の変更(検針日基準→引渡基準);1件
信用保証割賦売掛金及び信用保証買掛金に関する会計処理の変更;1件
研究開発費等の範囲の変更;1件
4年間の自発的な変更の趨勢
2021年3月期:7件
2022年3月期:13件
2023年3月期:11件
2024年3月期:6件
感想
自発的な会計方針の変更は、その時の経済環境を明確に反映するのが面白いところです。
2024年3月期に関しては、内容的には近年の傾向(原材料高、円安)と変わり無さそうですが、固定資産の減価償却方法の変更(定率法→定額法)が1件と少なく、概ね企業業績は良好だったと言って良さそうです。
2025年3月期については、もう少し増えるのではないかと想像していますが、果たしてどうなりますか。
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