金利の歴史と、これから~「企業会計」2025年3月号~
- 佐藤篤
- 4月1日
- 読了時間: 2分
誰の言葉だったか忘れてしまったのですが、「人生は金利との闘いだ」という名言?がありました。
社会人生活を超低金利下で過ごしてきた私にはピンとこない言葉でしたが、最近の金利上昇をみていると、これからは金利と闘わざるを得ない状況に置かれるのかも知れません。
そんな最近のご時世を反映してか、「企業会計」2025年3月号に掲載されていた特別インタビューは「金利の歴史に学ぶこれからの企業経営」(平山賢一)でした。
以下、その一部のメモ書きです。
歴史
古代から中世は、金利を徴収する慣例と、金利そのものを否定する思想が併存していた。その後、時代を経る中で、金利に対するポジティブな見方が強まる時期と、ネガティブな姿勢が強調される時期がせめぎ合ってきた。
また、多くの人々の不満が高まり、社会が不安定化すると、度々、徳政令やそれに類する政策が登場してきた。
今後
物価に関しては、モノ(製品)を大量に作って消費する時代ではなくなってきており、20世紀のような、エネルギー・資材を中心とした物価上昇はあまり起こりえないであろう。そのため金利に関しては、巨額資金調達のニーズが低下する結果、低いままで留まり、高くても一般的に5〜6%がいいところであろう。
一方で、庶民が資金調達する際には、15%を超える金利が課されており、社会不安回避のために、債務者を保護する徳政令的な政策が頻発する時代になるかもしれない。消費者ローンの上限金利のさらなる引き下げが検討されることも考えられる。
賃金という側面から見る物価に関しては、世界総人口に占める生産年齢人口比率は、2028年にピークアウトすると推測されており(国際連合、2024年改訂版、中位推計)、労働分配率を抑止し続けるのにも限界が訪れるはずである。
感想
借りたお金は返すのが当然だし、金利も取られて当然と思っていましたが、それも歴史的にみれば相対的な概念であるというのは新たな気付きでした。
「金は借りた者勝ち」とは言ったものです。
徳政令的な政策は、実際に米国で奨学金の返済免除等で実現しています。
日本でも実質賃金のマイナスが継続すれば、消費者ローン残高が増え、返済不能者が無視できないレベルに達することで、上限金利の引き下げが行われる可能性はありそうな話です。
また、世界総人口に占める生産年齢人口比率が2028年にピークアウトするという予測は記憶に留めておいた方が良さそうです。
r(資本収益率)>g(経済成長率)がひっくり返る日がやってくるかも知れません。
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