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調査委員会と会計監査人の連携上の留意点~「会計・監査ジャーナル」2026年4月号~

  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

前回のエントリーでは「会計・監査ジャーナル」2026年4月号の連載「公認不正検査士の不正調査手法」の第78回「公認不正検査士の不正調査手法と会計監査との相違点及び効果的な連携方法-第2回-調査と監査の連携」(黒川義浩、森安啓介)を取り上げましたが、両者の連携上の留意点に触れずじまいでしたので、今回改めて取り上げたいと思います。

 

連携の難しさ

  • 時間的制約がある中で、会計監査人が必要とする手続を会計監査人と調査委員会のいずれが実施するか、両者の所要日数を期限までの期間にどのように配分するかについては、両者間で調整及び協議を重ねる必要があり、これらの点に調査委員会と会計監査人の連携の難しさがある

 

件外調査

  • 不正調査開始の契機となった事案に関する本件調査の結果を踏まえ、類似の不正の有無を調査するもの

  • 会計監査人は「他に不正がないか」という観点で監査手続を行う必要があるが、この観点は「ないことの証明」(いわゆる「悪魔の証明」)であり、判断の相違が起きやすく、件外調査の対象範囲・期間について十分に協議することが重要

  • 会計監査人は顕在化した不正事案の類似事案の有無に対するリスクの蓋然性を慎重に評価する傾向があり、その度合いは調査委員会が想定する以上であることを調査委員会は理解しておくことが望まれる

  • 会計監査人も、不正調査は特定の事案に焦点を当てていることや、調査委員会が監査手続を代行しているわけではないこと改めて認識する必要がある

  • 事案によっては、会計監査人が必要とする件外調査手続について、調査委員会による調査ではなく、調査完了後に企業が財務諸表の信頼性を点検する目的で自ら実施し、その結果を会計監査人が監査手続で検証する場合も想定される

 

経営者不正の疑義

  • 経営者関与の可能性のある状況では、証拠隠滅や虚偽説明が組織的に行われる可能性が高まり、情報の信頼性が低下し、調査及び会計監査の実施にあたり、より慎重な対応が求められ、両者の連携の重要性及び難易度が高まる

 

海外事案

  • 海外の法律事務所や会計事務所が調査及び会計監査の主体となる場合が多く、調査及び会計監査の体制が広範化し複雑化を増す

  • 文化的な違いや個人情報保護・データ保護等の各国の法令・規制、言語や時差も考慮する必要がある

  • 証拠の翻訳や解釈において、現地語と日本語・英語間でニュアンスの違いが生じ、国内外の調査・会計監査の間で認識に相違が生じる可能性もある

 

感想

会計監査人の立場からすれば、まさに「ないことの照明」が最も大事で且つ困難なポイントです。

予実比較や前年同期比較で当を付けて検討するしかないのですが、時間的制約もあり、かなり難しい判断が求められます。

監査契約の解除が可能であればそうするのが一番いいのですが、そうもいかないのが苦しいところです。

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