調査委員会と会計監査人の連携に係る実務上のポイント~「会計・監査ジャーナル」2026年4月号~
- 5 日前
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「会計・監査ジャーナル」2026年4月号の連載「公認不正検査士の不正調査手法」の第78回は「公認不正検査士の不正調査手法と会計監査との相違点及び効果的な連携方法-第2回-調査と監査の連携」(黒川義浩、森安啓介)でした。
弊ブログで既に第1回を取り上げましたので、第2回も取り上げたいと思います。
不正調査と会計監査が連携するメリット
調査・会計監査の効果的・効率的な実施
スケジュール通りの調査・会計監査完了
企業価値毀損の軽減(企業がステークホルダーに対して説明責任を早期に果たすことで、企業価値の毀損を軽減することが期待される)
実務における連携方法
(事案発覚時の初動対応)
調査委員会と会計監査人が連携せずそれぞれ独立して調査及び会計監査を行う場合、両者による同じ手続の重複実施等によって効率性が低下し、且つ企業側の対応コストも増加するため、完了までの所要時間も増加する。そのような状況を避けるためにも、企業側は会計監査人に事案の発覚を早期に報告し、調査体制及び候補人員案を共有することが重要である。それを受けて会計監査人は調査結果を会計監査に利用可能か判断することになる。
なお、第三者委員会によっては、会計監査人との情報共有や連携を行わない方針を採用する場合がある
(調査委員会の設置から計画策定のフェーズ)
会計監査人は継続的な監査を通じて企業に関する情報を有しているため、調査委員会が会計監査人の情報を活用することで効率的に調査を進めることが可能となり得る。その場合には、企業が会計監査人の守秘義務を解除する必要がある。
調査の初期段階において、調査委員会と会計監査人のキックオフ・ミーティングを開催することも有効
例えば、デジタル・フォレンジックのキーワードやインタビューの質問事項等の調査手続の詳細を事前に協議することで、会計監査の観点での追加手続が調査後に発生することを防止することができる
(実施フェーズ)
調査委員会と会計監査人の主要メンバーが参加する定期的なミーティングを週次等で設定することで、進捗と発見事項・懸念事項の適時共有が可能となる
企業等が会計監査人に虚偽の説明を行っている場合など、調査委員会が入手した情報と会計監査人が入手していていた情報が異なる場合も想定されるため、その際は情報の信頼性について慎重に検討する必要があるとされており、この点からも両者の連携は重要
(調査報告フェーズ)
企業が作成する内部統制報告書における内部統制の評価結果及び開示すべき重要な不備がある場合の是正措置は会計監査人の内部統制監査の対象となるため、内部統制上の課題や再発防止策の十分性及び実効性等は調査委員会と会計監査人において事前協議・すり合わせをすることが実務的
感想
調査委員会と会計監査人が連携を図ることで、企業も含めた「三方よし」になるように思います。
ただ、当然留意すべき点もあるはずで、当該論考で触れられていますので、次回以降に改めて取り上げます。
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