最近の四半報提出延期事例~㈱フジオフードグループ本社~
- 佐藤篤
- 2022年11月29日
- 読了時間: 2分
2022年11月14日に株式会社フジオフードグループ本社(以下「フジオFG社」)が「第24期(2022年12月期)第3四半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出のお知らせ」をリリースしておりました。
フジオFG社の連結子会社である株式会社フジオフードシステム(以下「フジオFS社」)において、2022年10月27日に自治体から営業時間短縮協力金の支給済協力金の支給決定額が、およそ23億円からおよそ12億円に変更した旨の書面を受領した結果、第3四半期報告書を期日までに提出出来なくなったという内容でした。
減額決定された要因としては、前連結会計年度において助成金収入の計算方式に誤りがあったためで、以下のような経緯とのことです。
フジオFS社では2021年9月から2021年12月申請分に関して、中小企業等対象の計算方式で申請し助成金を受領していた。
100%親会社のフジオFG社との関係性からみなし大企業と判定され、大企業対象の計算方式で申請すべきであったと決定された。
2022年1月1日以降分に関しては、担当部署変更に伴う部署間引き継ぎが実施されなかったことから大企業対象の計算方式で申請しており、影響はない。
これにより過年度のフジオFG社の訂正報告書では、中小企業方式と大企業方式の差額約10億円を助成金収入から返金負債へ振り替える会計処理がなされると考えられます(収益認識に関する会計基準第53項参照)。
フジオFS社内で部署間引き継ぎがなされなかったことにより対象期間によって異なる計算方式で申請してしまったことがやぶ蛇になって減額決定に繋がった可能性があり、不正の意図はなさそうな印象です。
とはいえ、減額分は丸々利益(と剰余金)の減少になる訳ですから、フジオFG社にとっては痛いエラーとなってしまいました。
引き継ぎがいかに大切かということを実感させられた事例でありました。
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