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最近の不適切会計事例~㈱アウトソーシング~

  • 佐藤篤
  • 2022年1月11日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年1月21日

JPXのサイトにある有報等提出期限延長会社のページを定期的にみております。

先日は、株式会社アウトソーシングの「2021年12月期第3四半期報告書の提出期限延長(再延長)に係る承認申請書提出に関するお知らせ」(2021年12月28日付)(以下「当該リリース」)がアップされていましたので、サッと目を通そうとファイルを開いたのですが、予想外のボリュームで、しかも内容もかなり興味深いものでした。


提出期限延長に至るそもそもの経緯

2021年11月15日に、連結子会社の上場準備の過程において、その子会社において不適切な会計処理が行われていた疑いがあり、調査委員会を設置して調査中であることを理由に「2021年12月期第3四半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出に関するお知らせ」を提出済みでした。

ところが、その調査の過程で以下の事実が判明したことから、再延長を申請されたようです。

(以下、当該リリースより引用)

「7社32名へのデジタル・フォレンジックの結果、900通を超える不適切会計の疑いがもたれるメールが、9月21日から12月11日にかけて断続的に検出され、(以下省略)」

「当初(編注2021年11月15日付の提出期限延長時)の調査対象4社以外の連結子会社13社(うち4社は消滅会社)において幅広く、多岐にわたり不適切会計が行われていることが発覚(以下省略)」


不適切会計の内容

当該リリースの3ページ目に、発見された主な不正項目とその内容の一覧表を公表してくれております。内容説明は簡潔で且つわかりやすいです。

以下、項目だけ転記します。

  1. 仕掛品過大計上

  2. 受注損失引当金過少計上

  3. 売上架空計上

  4. 売上早期計上

  5. 費用繰延

  6. 費用早期計上

  7. 費用の有形固定資産計上

  8. ソフトウェア過大計上

  9. 売上の付け替えによる減損損失回避


感想

悪い意味でやれることはやった、という印象です。

不正項目No.1と2は受注生産の個別原価計算によるビジネス(建設業、重工業、ソフトウェア制作業等)では基本中の基本の不正ですし、No.3から9も業種を問わずよくある手法です。

具体的な内容は、当該リリース(リンク)の3ページ目にわかりやすく記載してくれていますので、監査法人勤務1~3年目位の方、上場会社の経理部で主計担当になって間もない方は是非一読されることをおすすめします。

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