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新公益法人会計基準の主な変更内容(その2)~財務諸表全体、適用時期と経過措置~「会計・監査ジャーナル」2025年10月号~

  • 佐藤篤
  • 10月21日
  • 読了時間: 2分

弊ブログの先週のエントリーで、「会計・監査ジャーナル」2025年10月号に掲載されていた「新しい公益法人会計基準について」(松前江里子)から、会計上の具体的な変更内容と小規模法人向け負担軽減措置を取り上げました(リンク)。

 

今回は同記事から財務諸表全体パート及び適用時期と経過措置について取り上げます。

 

区分経理

(従来)法令等の要請により区分経理を行う必要がある場合は、貸借対照表及び正味財産増減計算書の内訳表を作成する

(改正後)注記により開示する。また、公益認定法令の改正により、貸借対照表の区分経理が原則として必要となっている。作成方法については、継続記録法によらず、棚卸法的な作成方法が容認されている。

 

財務規律適合性に関する明細

(従来)財務規律適合性に関する明細を作成することの定めはなかった

(改正後)会計監査人設置法人は新たに作成することとなった。設置法人以外は、従来どおり、定期提出書類で作成・報告することが選択可能

 

関連当事者の範囲の拡大

(従来)当該公益法人の役員又は評議員およびそれらの近親者が範囲とされていた。役員又は評議員は有給常勤に限定されていた。

(改正後)上記に加え、当該公益法人の従業員およびその近親者、法人でない社員及び基金の拠出者等、法人でない設立者及びその近親者等が追加された。役員又は評議員は非常勤を含むこととされた。

 

適用時期と経過措置

  • 令和7年4月1日以降開始する事業年度から

  • ただし、令和10年4月1日前に開始する事業年度までは、平成20年基準を引き続き適用することができる経過措置が設けられている

  • 平成20年基準を継続適用している場合、貸借対照表の区分経理は、令和6年基準の適用時までは作成しないことができるが、その場合、定期提出書類との関連で、公益目的取得財産残額を示す別表Hを作成する必要がある

  • 令和6年基準の適用初年度においては、貸借対照表及び活動計算書、キャッシュ・フロー計算書に前事業年度の数値を記載しないことができる

  • 財務諸表の注記についても前期末残高の数値は記載しないことができる

  • その他有価証券の取り扱いについて、平成20年基準では、切放法を適用していたことから、洗替法による評価を行うにあたって、法人の保有する有価証券の原始取得価額の把握が困難な場合には、令和6年基準の適用時にその時価をもって取得価額とみなすことができる

  • 移行法人については、制度上、改正点はないが、令和6年基準は適用対象となる点に留意

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