政策保有目的株式に係る有価証券報告書上の開示に係る留意事項
- 5月8日
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ウェブで『「令和7年度有価証券報告書レビューの審査結果及び審査結果を踏まえた留意すべき事項等」の解説』と題された研修を受講したのですが、その中の政策保有目的株式パートが面白かったので取り上げたいと思います。
政策保有目的株式に関連して当年度において新規に識別された課題
保有目的を純投資目的に変更した場合に、保有目的の変更の利用の記載が不明瞭
保有目的を純投資目的に変更した場合に、変更後の保有又は売却に関する方針の記載が不明瞭
開示上のルール
最近5事業年度において保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更した投資株式(最近事業年度末において保有しているものに限る。)がある場合には、銘柄ごとに、「銘柄」・「株式数」・「貸借対照表計上額」・「保有目的を変更した事業年度」・「保有目的の変更の理由及び保有目的の変更後の保有又は売却に関する方針」を記載することが求められている。(開示府令第三号様式記載上の注意(39)で準用する第二号様式記載上の注意(58)f(b))
望ましい開示事例
(㈱北洋銀行)
具体的な個別銘柄について、「売却方針:1年以内に売却」と明記(2025年3月期有価証券報告書P.89)
(東京海上ホールディングス㈱)
保有方針として「なお、当社は、政策投資として保有している株式の保有目的を純投資目的に変更することは行いません(例えば、発行者から売却に関して応諾を得ている銘柄で、個別銘柄ごとの市場における流動性や発行体との合意内容に配慮し、売却まで一時的に保有を行う場合においても、その過程で純投資目的への変更は行いません)」と明記(2025年3月期有価証券報告書P.90)
「コラム-売らせない圧力」より
政策保有株式の発行会社が、主に発行会社の安定株主の確保を理由に、政策保有株式の保有会社に対して、発行会社と保有会社間の既存の取引の縮減を示唆することなどにより政策保有株式を売らせないように圧力をかけている事例が複数識別された。
発行会社によっては株式持ち合いの意向が強い会社や、株式保有を取引の前提としている社内ルール(例.取引金融機関を発行会社株式保有金融機関へ限定するケースや、融資シェアに応じた株式保有を金融機関へ要請するケース)があることも売却交渉を難しくする要因であるとの指摘がある。
コーポレート・ガバナンスに関する報告書上は、政策保有株式の売却を妨げるべきではないとの補充原則(注.東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コード補充原則1-4①)をコンプライしていると対外的に公表しているにもかかわらず、担当者レベルで圧力をかけていたり、経営層の指示のもと会社として組織ぐるみで圧力をかけているような実態がある場合には、コーポレートガバナンス・コードの趣旨を損なうとともに、ガバナンスの観点からも重大な問題がある可能性がある
感想
上記のような問題がありながらも、投資単位の引き下げを行ったり、株主優待を充実させたりして個人株主を引き込もうとする動きは政策保有の縮減が少しずつ進んでいることの証のように感じています。
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