原価操作の特徴と背景~「企業会計」2026年6月号~
- 7月21日
- 読了時間: 2分
「企業会計」2026年6月号の特集2「属人化はなぜ止まらない」の一論考として「収益認識・原価領域に潜む内部統制の属人化」(市川克也)が掲載されていました。
収益認識に係る不正事例は頻繁に解説されますが、原価に関してはそこまで多く取り上げられないため、今回は当該論考から原価領域に係る不正部分に触れてみることにしました。
原価操作に関する不正会計の特徴
管理職以上が関与する割合が高い
長期間・複数年度にわたり継続する事例が多くみられる
調査報告書から見えてくる原価操作の背景
製造現場における原価発生額は、歩留率や稼働実績、原材料価格など多くの要因に左右されるため、十分な理解がなければ異常性に気づくことが難しく、特に予算内に収まっている場合、合理的と判断されてしまうことがある
外注先への架空発注、実態のない業務委託、関係会社・取引先との循環取引またはバーター取引といった不正事例については、証憑確認について承認をチェックするだけで、実態確認・合理性検証が行われておらず、原価計上の妥当性を検証する統制が有効に機能していないことが多い
材料・部品の原価を手作業で改ざん、加工費・製造間接費を恣意的に調整、実際原価と標準原価の差額である原価差異を不適切に処理、といった不正会計が行われることがある。原因として、地方工場などで経費削減のためシステムが旧式化し、その中身を理解する人が少数となる、もしくは人員削減のため工場経理担当者を交代できず長期間同じメンバーが担当しているような場合に、上長が原価計算を十分チェックすることができなくなることが、しばしば指摘されている。
感想
私の経験でも、ある地方工場の経理Gの課長以下3人がずっと(具体的な年数は失念)同じメンバーで業務を遂行していたことがあり、不正が起こった訳ではないのですが、監査チームとして要注意という認識を持っていました。
人手不足の折、現在も同じような状況に置かれている地方ブランチは少なくないような気もします。
コメント