信越化学工業㈱の株主総会の思い出
- 佐藤篤
- 2022年2月1日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年2月3日
前回に引き続き、決算発表に関するネタです。
信越化学工業株式会社(以下「信越化学社」)が、1月27日に2022年3月期第3四半期決算短信を発表しました。決算数値は決算短信を見ていただくとして、大幅な増収増益の決算でした。
信越化学社といえば、昔々個人株主だったことがあります。
当時の株価は確か5千円程度だったと記憶しています。多少利益が出て売ってしまったのですが、今持っていれば株価は19千円位ですので、約4倍になっていたことになります。
株式投資でこれを言っても仕方ないのですが、あの時売らないで持ち続けていればなあ、という思いはどうしても抱いてしまいます。
その株主だった当時、信越化学社の株主総会へ行ってみたことがあります。
当時は金川千尋氏が社長で、株主からの質問に自ら答えられていたのですが、その時印象に残った質疑応答のメモを、某SNSの日記へアップしました。
そのことを思い出して数年ぶりにその某SNSへアクセスしてみたところ、まだアカウントもその日記も残っていましたので、折角なので公開しようと思います。
Q.株主;「13期連続増収増益を続ける秘訣は?」
A.社長;「会社を経営していると、毎日ホントにいろいろなことが起こる。
問題が発生したら芽が小さいうちに摘み取ってしまうことが大事。大きくなってしまったら手に負えなくなってしまうから。」
Q.株主;「BRICs諸国をはじめとする新興国への投資を行うべきでは?」
A.社長;「リスクにはコントロールできるリスクとできないリスクがある。
後者の典型はカントリーリスクだが、コントロールできないリスクは避けることが大事。BRICs諸国をはじめとする新興国は、近代法治国家として未成熟でカントリーリスクが大きく、そういった国々へ投資することはコントロールできないリスクを負うことになり、現状では新興国への投資は考えていない。
但し、マーケットとして伸びることは疑う余地はないので、販売面での強化は必要。つまり、マーケットとして魅力があるということと、投資先として魅力があるということは全く別のことだと認識している。」
もちろん、実際の質疑応答はこれだけではなかったのですが、当時の私の印象に残っていたのがこの2つだったということです。
当時は人件費の安い新興国へ製造移転するのが流行っていた中、明確に、説得力を持ってそれを否定されたことに、金川社長が名経営者と評される所以を垣間見た気がしたのでした。
そして、その金川氏が社長を退任しても変わらず優良企業であり続ける信越化学社の強さに感心させられます。
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