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企業結合時における満期保有目的債券への分類に留意

  • 佐藤篤
  • 2023年3月23日
  • 読了時間: 2分

シリコンバレー銀行の破綻に関連して、弊ブログでは満期保有目的債券について2回程取り上げました。


今回は「金融商品会計に関するQ&A」(日本公認会計士協会、最終改正2019年7月4日)から、満期保有目的債券関連の気を付けるべき論点を取り上げます。


「金融商品会計に関するQ&A」のQ30は、以下のような問になっています。

合併等の企業結合が行われた場合における被合併会社が保有する有価証券の保有目的区分については、どのように考えればよいでしょうか。


この問いへのアンサーの中に、満期保有目的債券に関連した記載があります。

吸収合併存続会社等が実務指針第83項に列挙されている状況の発生(その発生が合理的に見込まれる場合を含みます。)がなく売却又は振替を行ったことにより、取得した債券を満期保有目的の債券に区分することができない期間中に合併が行われた場合にも、吸収合併消滅会社等が保有している満期保有目的の債券は、満期保有目的の債券に分類できないことに留意する必要があります。


かなりマニアックな内容です。


が、益出しや損切りのためにペナルティ覚悟で満期保有目的債券を売却するケースは実際にありますし、シリコンバレー銀行のように自己資本を枯渇させる程満期保有目的債券に含み損を抱えた業も実際に存在した訳ですから、このような規定があることだけでも覚えておいて損はないと思います。


合併後に気が付いたら、それこそ悲劇です。



以下、余談です。


会計基準等を読む時のコツのようなものがあって、それは「留意する」や「留意が必要」といった「留意」を含む言葉に気をつけて読んでいくことです。


この「留意」という言葉が使われている規定は、基準設定主体が間違いやすいポイントだと認めている事を意味し、実際に間違えそうな内容である印象が強いです。


今回取り上げた「金融商品会計に関するQ&A」にも「留意」が7回使われていて、その内2つは上記のQ30です。


いろいろな会計基準、適用指針、Q&A等のPDFデータで「留意」を検索し、該当箇所だけを読んでみるのも面白いかも知れません。

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