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リスクアプローチ改正の研修を受講しました

  • 佐藤篤
  • 2022年7月22日
  • 読了時間: 3分

大手監査法人のような自前の監査ツールを用意できない小規模監査法人や個人事務所のために、JICPAが監査ツールを用意してくれています。

その監査ツールが大きく改正されたことに関連して、内容解説研修がオンラインで開催されました。

当該研修では監査ツールの変更点だけでなく、監査基準委員会報告書315「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示リスクの識別と評価」についても解説してくれていましたので、今回はそのパートのメモ書きを記事にします。


  • 固有リスクと統制リスクは分けて評価する。

  • 特別な検討を必要とするリスク

金額的及び質的影響の双方を考慮して固有リスクが最も高い領域に存在すると評価したリスク。定義を明確化した。

  • 関連するアサーション

重要な虚偽表示リスクが識別されたアサーション。アサーションが関連するアサーションであるかどうかの判断は、関連する内部統制を考慮する前に行われる(すなわち固有リスク)。

  • 重要な取引種類、勘定残高または注記事項

関連するアサーションが一つ以上存在する取引種類、勘定残高または注記事項。

  • 重要性のある取引種類、勘定残高または注記事項

重要な虚偽表示リスクは識別されていないが量的または質的に重要な取引種類、勘定残高または注記事項。実証手続を立案し実施することが要求される。但し、全てのアサーションについて実証手続が要求されているわけではなく、仮に虚偽表示が発生した場合に虚偽表示が重要となる可能性が合理的に存在するアサーションを検討して実施する。

  • 重要な虚偽表示リスクが存在するとは、発生可能性と影響の度合いについて、合理的な可能性がある場合のこと。統制リスクが低いことを理由に重要な虚偽表示リスクはないと結論づけることはできない。


感想

  • 固有リスクと統制リスクを分けて評価するのは、昔のリスクアプローチに戻ったという印象です。

  • 固有リスク「高」と特別な検討を必要とするリスクの関係は、金額的重要性と発生可能性の何れかが高ければ固有リスク「高」、両者が高ければ特別な検討を必要とするリスクに該当、と理解したのですが、これで合っているのでしょうか。

  • 「重要性のある取引種類、勘定残高または注記事項」については、今までも監査実施上同様の対応をしてきたので、個人的には実質的な影響はないのですが、監査チームによっては、全てのアサーションをカバーする位実証テストを実施していたり、アサーションを意識しないで当該勘定科目の一般的な実証テストを実施していたりと様々だったと想像します。そのような監査チームは、今回の改正によって監査工数を削減できるかも知れません。

  • 正直に言うと、経営者不正等内部統制が機能しない可能性がある場合を除いて、今まで統制リスクが低いことを理由に重要な虚偽表示リスクはないと結論付けていました。ここは気を付けて見直して行く必要がありそうです。

  • 全体的な感想としては、今まで曖昧だった部分が明確にされたという印象です。結果として、改正適用初年度は別として、2年目以降は監査工数が減少する監査チームも少なくないのではないかと思います。


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