スタートアップ企業でどう数字と向き合うか~「企業会計」2022年12月号~
- 佐藤篤
- 2023年1月3日
- 読了時間: 2分
「企業会計」2022年12月号の「経理・財務最前線」は「スタートアップ企業でどう数字と向き合うか」(中島悠太)でした。
私はスタートアップ企業で働いた経験もなく、その予定もないのですが、そうであるからこそ、当該記事は示唆に富んだ内容だと感じました。
以下、当該記事からのメモ書きの一部です。
当該記事の目的
主に数字に関して、創業当初からフェーズが変わっていく中でどういうことを意識してきたかを述べること。
創業当初
どんな取引が発生していくのか分からない中で、定型の仕訳ルールを作ることは不可能。
そのような状況で一番意識していたのは、後から確認できる状態にすること。具体的には、一.仕訳の備考になるべく詳細に取引内容を記載する、一.証憑類をまとめておく。
スタートアップでは人の入れ替わりも多いので、後から誰が見ても内容が分かる状態にしておくべき。
経営指標としての先行指標
例えば、HPなどのセッション数が該当。
スタートアップはスピード感が早く変化も激しいため、3ヶ月前の結果指標である売上を見て意思決定をしても前提が変わっていることがあり、意思決定を誤ってしまう可能性が高い。
個々の従業員としても、目標が「売上」だと何をしていいのか難しいため、「売上」を正しく因数分解して何がボトルネックになっているかを把握し、アクションに落とし込むことが重要。
予実管理
スタートアップでは、そもそも見たい数字が取れていない状況が多く、初めから精度の高い予算を作成するのは無理だと割り切った方が良い。
管理側だけで予算を作っていると「数字を取ること」が目的になりがちだが、現場とすり合わせていくことで「正しく計画を立て、改善すること」につながる。
初めから細すぎる計数にすると実績を取る難易度も高くなるので、影響度が高い項目で、かつ大枠の項目から始めていくと良い。
感想
スタートアップの当面の目標としてIPOがあると思いますが、そのためには経理の内製化、売上が伸びていく見込が高いこと、月次決算含めた予実管理が出来ること等が求められます。著者の中島さんはそこを念頭にポイントを絞って記事にされたように感じました。
たった2ページしかない記事でしたが、冒頭に記載の通り、とても示唆に富んだ内容で、是非今回の続きをお願いしたいものです。
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