コーポレート・ガバナンスの状況等の開示における留意事項~「会計・監査ジャーナル」2024年6月号~
- 佐藤篤
- 2024年7月2日
- 読了時間: 2分
ここ数年、経済ニュースでコーポレート・ガバナンスの話題が取り上げられる機会が多いなあ、という印象があるのですが、「会計・監査ジャーナル」2024年6月号に掲載されていた「令和5年度有価証券報告書レビューと審査結果及び審査結果を踏まえた留意すべき事項等について」でも、コーポレート・ガバナンスの状況等の開示に係る問題点について触れられていました。
以下、当該部分のメモ書きです。
女性管理職比率を女性活躍推進法の「管理職」の定義に従って算定・開示していない
↑厚生労働省の「状況把握、情報公表、認定基準等における解釈事項について」では、一般的に「課長代理」と呼ばれている者は「管理職」とは見なされないとされているが、女性管理職比率に関連して課長代理以上の職位にある者を「管理職」として記載している事例があった。
取締役会、会社が任意に設置する指名・報酬委員会、監査役会等の開催頻度、具体的な検討内容、出席状況等の記載がない
内部監査が取締役会に直接報告を行う仕組みの有無に関する記載がない
政策保有株式の銘柄ごとの保有目的が具体的に記載されていない
政策保有株式縮減の方針を示しつつ、売却可能時期等について発行者と合意をしていない状態で純投資目的の株式に変更を行っており、実質的に政策保有株式を継続保有していることと差異がない状態になっている
政策保有株式縮減の方針を示しつつ、発行者から売却の合意を得た上で純投資目的の株式に区分変更したものの、実際には長期間売却に取り組む予定はなく、実質的に政策保有株式を継続保有していることと差異がない状態になっている
感想
女性管理職比率の開示については、特に小規模な上場会社では、そもそも管理職になりたがる女性職員がおらず、無理に管理職に据えようとすると退職してしまうといった悩みを抱えているケースもあり、一定程度以上の規模の会社に限定しても良いのでは、と思っています。
その他の問題点については御尤もとしか言いようがありません。
コーポレート・ガバナンスに限らず、企業経営に係るいろいろな事柄が少しずつ正常化されてきていて、これからの経営者は辛いなあ、と改めて感じさせられた次第です。
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