つい、宝くじを買ってしまう理由~「企業会計」2024年5月号~
- 佐藤篤
- 2024年6月14日
- 読了時間: 3分
ジャンボ宝くじが発売されているのを見かけるとつい買ってしまいます。
先日もドリームジャンボ宝くじが販売されていたので3枚ほど購入し、現在抽選待ちです。
そんな中、「企業会計」2024年5月号に掲載されていた「人はなぜ宝くじに魅力を感じるのか」(盛本晶子)を読みました。
主題はバイアスの説明なのですが、この手の解説を読むと、宝くじに限らず、過去のやらかしが思い出されて、辛い気持ちになります。
今後に生かしていくしかないのですが。
以下、メモ書きです。
一.ヒトは小さな確率に直面した場合、それを過大評価するか、あるいはゼロとみなす傾向がある。
宝くじについて言えば、我々は誰でも滅多に当たらないものであるという認識があるが、実際の当選確率は我々が思う以上に低い。「もしかしたら当たるかも」という発想は実際の当選確率を過大評価していることに他ならない。
一.ゼロとみなしていた小さな確率が実際に実現してしまうと、その後は過大評価されてしまう(例.原発のメルトダウン)。
一.小さな確率を正しく認識できない傾向は、利得や損失が大きいほど顕著になる。
宝くじについて言えば、当選確率よりも当選金額の大きさに注意が向いてしまう。ビラやCMでも当選金額が大々的にフューチャーされ、当選確率を目にする機会はない。
上記のように、利用しやすい情報や頭に思い浮かびやすい情報を重視する人間の認知バイアスは利用可能性ヒューリスティクスと呼ばれる。
一.確率の認識と損失回避性とが重なると、人々の判断は一層合理性を欠くことになる。
保険への加入は、損失回避性と小さな確率の過大評価とが重なって、人々の判断が非合理になる典型例の一つ。
保険の本来の目的は、個人では補償できない事態に備えて、集団でお金を出し合うことにあり、個人で補償できる事態に対して加入する必要はないのだが、そのような商品(例.スマホ保険)が山のように存在していて、実際に多くの加入者を集めている。
一.小さな確率を過大評価する認知バイアスを可能性効果という。
可能性50%から51%への変化も、0%から1%への変化も、どちらも統計的には1%の確率変化でしかないにもかかわらず、0%から1%への変化は、可能性がない世界から可能性がある世界への変化となり、人間心理に大きなインパクトを与え、結果として小さな確率を過大評価してしまう。
一.100%に近い大きな確率に対しては、その確率を過小評価する確実性効果がある。
確率100%から99%への変化は、確実な事象から不確実な事象への変化という質的な違いがあり、人間心理に大きなインパクトを与え、結果として大きな確率を過小評価してしまう。
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