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2022年3月期株主総会招集通知雑感

  • 佐藤篤
  • 2022年6月17日
  • 読了時間: 3分

3月決算会社の株主総会シーズンになり、株主総会招集通知がいくつか郵送されてきました。

当初はどこかの会社の株主総会へ行ってみようと思っていたのですが、開催日が6月28日29日に集中していて日程の都合がつかなかったり、開催日がズレていても遠方での開催だったりして、今年の参加は見送ることにしました。

その代わりという訳ではありませんが、議決権はちゃんと行使しようと思い、招集通知に目を通しています。

今回はその過程で感じたことのメモ書きです。



議案について

今年の議案は株主総会資料の電子提供制度導入に伴う定款変更がメインの印象です。

電子提供制度の導入は株主総会資料の印刷、封入、郵送に係るコストを削減できるメリットがあり、その利用のためには定款変更が必要なのですが、この制度を導入しないメリットは会社側にはなく、従ってこの定款変更議案がない会社もないというかんじです。


その他、配当金に係る議案ももちろん多いですが、ない会社も少なくありません。

そのような会社は取締役会決議で配当することが可能で、株主総会前に既に配当金の支払を開始しています。

ちなみに取締役会決議で配当できるようにするための要件は会社法第459条1項に規定されています。これを満たせば配当の時期の制約がなくなり、株主総会前に配当支払ったり四半期ごとに配当したりすることが可能になります。



株主提案

議案には会社提案と株主提案があります。

株主提案議案のある会社はほとんどないのですが、何故か電力会社に集中していて、関西電力㈱に至っては第5号議案から第30号議案までが株主提案です。

一般的に株主提案のほとんどが「定款一部変更の件」で、様々な定款変更提案がなされています。

その全てに取締役会は賛成か反対かを表明するのですが、そのように判断した理由も記載しなければなりません。トンデモ提案ならまだしも、それなりの合理性を持った株主提案もあり相当の賛成を集める可能性もありますが、そのような提案に対しても、株主総会を炎上させないように気を使いつつ、でも断固と反対するコメントを考えなければならないわけで、会社担当者のご苦労が偲ばれる想いがしました。



議決権行使

インターネットで行使できるのですが、スマホでQRコードを読み取って議決権行使するのがとても便利です。

パソコンの場合、ブラウザにURL入力してサイトにアクセスし、IDと仮パスワードを入力し、更にパスワード変更までして初めて議決権行使できるのですが、スマホ・QRコードだとIDとパスワードなしでそのまま議決権行使ができ手間がないのです。

ただ、スマホ・QRコードは1回しか利用できないので、その点は注意が必要です。



先日、同い年3人で飲む機会があり「時代は変わったな」などと話していたのですが、こうして株主総会関連手続をみてもそれを実感させられます。

開催日の集中だけは変わっていませんが(笑)

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