経理パーソンのコミュニケーション術~「企業会計」2026年5月号~
- 7月10日
- 読了時間: 4分
「企業会計」2026年5月号の特集は「経理ソフトスキルを鍛える!」でした。
中年真っ盛りの私としては、こういった特集タイトルを見ても読もうという気は起こらないのですが、だからこそ敢えて読んでみようかと気まぐれに思い立ちました。
そんな訳で今回は、当該特集の中から「社内外での実践コミュニケーション術‐話せる経理パーソンになるために」(横井智哉)を取り上げます。
最初に、当該論考の目的について、以下引用します
(前略)学問的・体系的な議論から離れて実務目線で「経理パーソンとして」物事を進める上で筆者が重要と感じている観点を紹介できればと思う。
以下、メモ書きです。
経理パーソンの基本的な姿勢
(数字で語る)
自分自身の情報整理のために必要なデータを網羅的に把握することは有用だが、これを全て伝えることは必ずしも必要ではなく、相手の受け入れ状況に配慮しながら、意思決定に必要な定量情報を、メリハリを持って示し、加えて定性情報を添えてストーリーとして示すことが重要
(空中戦にしない)
特定の会計領域や専門知識に深い見識を持つ経理パーソンほど、意図せず空中戦に陥るリスクがあるため、今のテーマは何か、そもそも何がしたいのか、始点をグリップする意識付けが必要
(鳥の目)
様々なステークホルダーを巻き込んで物事を進める上では、全体最適を意識することが重要であり、自分たちが置かれている状況や他の当事者との相対感を一歩引いて把握する姿勢が有意であると考えられる
社内コミュニケーション
(現場をリスペクトする)
相手方の「隠れた前提」を理解してボタンの掛け違いを防ぐことが重要であり、そのためには自分たちの話を噛み砕くだけでなく、相手のフィールドも理解する必要がある
(印籠を用意する)
経理と事業部門の関係性は自然と対立構造になることが少なくない。このような状況で、理屈で納得してもらうのは難しく、効率的に物事を進める上では、例えばマネジメントの署名付き文書のような「印籠」があると話が早い
(わかってもらえなくて当たり前)
経理パーソンが普段慣れ親しんでいる業務・ルール・用語は他の部署の方々にとっては分かりにくい。だからこそ、それを理由に他部署を責めたり、逆に自分の説明が至らなかったと変に落ち込んだりする必要はなく、何回も話し合いを重ねて目線合わせをしていけばよい。
社外コミュニケーション(投資家や金融機関を想定)
(ワンボイス)
一社であっても多くの担当者と関わるのが大手金融機関とのリレーションのポイントであり、それ故、こちら側が都度都度ぶれた発言をしてしまうと、場合によっては火種になるリスクがあるため、一気通貫のコミュニケーションが重要
(関係性に溺れない)
日本では、様々な人たちと良い関係性を中長期的に築き上げていく、良くも悪くもウェットな側面が今なおあるように感じるが、留意すべきは、その関係性にとらわれて意思決定の経済合理性や一貫性がぶれてしまうことであり、適度な緊張感を持つコミュニケーションが基礎となるべきである
(仮面を使い分ける)
場面ごとの役割に合わせてスタンスを柔軟に切り替えるという意味
重要なミーティングで自分自身に期待されている役割は何かを内省し、ある種のスイッチを入れる局面を理解して、まさに仮面を被って意識的に自分の素をセーブして「演じる」
プレゼンテーション
(資料作成)
経理で想定されるプレゼンテーションの場合は、相手方も一定程度のリテラシーがあり、聞く姿勢で挑んでいることが多いため、一般にイメージされるきらびやかな資料は必要なく、意思決定に必要十分な事実をデータで分かりやすく示した資料であることが望ましい
色々な企業のIR資料が参考となる
(本番)
長々としゃべりすぎない
この時間の目的は何か、意思決定権者に教え、そこに注視してもらう
その時の状況に応じて、勇気を持って説明を割愛するスライドもあってしかるべき
感想
「確かに」「あるある」と思いながら拝読しました。
経理パーソンのみならず、会計監査人の立場としてもとても参考になりました。特に(関係性に溺れない)、(仮面を使い分ける)辺りの内容は肝に銘じておくべきだと感じました。
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