楽天グループ㈱の現状と今後~最近の経済ニュース~
- 佐藤篤
- 2023年10月24日
- 読了時間: 2分
ここ1年程「楽天グループ㈱(以下「楽天G」)はどうなっちゃうのだろう」という話題がよく出るようになりました。
火の無い所に煙は立たぬとも言いますから、それなりの状況なのでしょう。
その楽天Gの現状と今後について、プラチナバンド獲得のタイミングに併せて、テレ東の朝の番組(モープラFT)で、シティG証券の鶴尾充伸さんが解説されておりました。
損益状況、携帯事業
楽天Gの主な事業はネットサービス、金融、携帯の3つ
2023年12月期第2四半期決算では、ネットサービス、金融は黒字だが、携帯事業は営業損益で1,850億円の赤字
携帯事業の月次の運営費用は昨年9月で390億円だったのが、今年の6月には260億円に減少,更に9月時点では240億円まで削減が進んだと見込まれている。
コスト削減の主な要因は、ローミング費用の削減、基地局開設費用の削減、CMなど加入者獲得費用の削減、人件費やポイント費用の他部門への移転
契約数は昨年末には448万件まで減少していたが、今年6月末には481万件まで回復
1ユーザー当たりの平均収益は2,000円まで回復しているが、他の携帯大手3社は4,000円前後であり、見劣りしている。
楽天モバイルの損益分岐点は契約者数900万人、1ユーザー当たり平均収益2,750円と見込まれ、達成には3年弱かかる見通し。
プラチナバンドの影響
設置に2年程度要する見込み
他の3社より帯域が狭く、郊外や地方の品質改善には時間を要する。
財務面
今後5年で1.2兆円の社債の償還を控えており、財務リスクは高い。シティGでは投資判断を中立ながら高リスクとしている。
携帯事業の黒字化の目途は四半期で50万以上の純増が持続すること。
楽天証券上場の後、楽天カード上場の可能性も高いと考えられる。
感想
財務面について、率直に「厳しい」と仰っていたのが印象的でした。
確実な社債償還資金手当の目途が不明な状況では、そのように言っておくのが安全なのでしょうが。
それと、損益分岐点の高さにも厳しさを感じさせます。
現在より1ユーザー当たりの平均収益をアップさせた上で契約者数をほぼ倍増させなければなりませんから。
プラチナバンドの割り当てを受けたことで、携帯事業からの撤退は更に難しくなった印象ですし、世間から注目を浴びるのも分かる気がしました。
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