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最近の不適切会計事案2件~㈱SCREENホールディングス、㈱サンウェルズ~

  • 佐藤篤
  • 2024年11月19日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年11月22日

2024年11月14日に株式会社SCREENホールディングスが「第84期(2025年3月期)半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出および特別調査委員会設置のお知らせ」をリリースしておりました(リンク)。


久々の時価総額1兆円超企業の不適切会計案件か?と一人で勝手に盛り上がっていたのですが、11月15日終値ベースでは9,672億円とギリギリ1兆円を下回っていました。


不適切会計の内容は、連結子会社において、出荷済みの装置に係わる収益認識時期の妥当性について会計監査人からの指摘を受け、社内調査を進めた結果、一部につき不適切な処理が行われていた疑念があることを認識したとのことです。

これだけを読むと誤謬の可能性もあるかな、と思いましたが、以下のような記載もあり、そうとは限らないようです。

会計監査人による期中手続きの過程で、不適切な会計処理の可能性、すなわち、意図的に収益認識に係る履行義務の充足時点(売上の計上時期)を操作した可能性が示唆された


一方で、以下のような記載もあります。

なお、現時点においては、重要性のある不適切な会計処理は確認されておりません。


以上をまとめると、金額的影響はあまりなさそうだけど、不正の疑いがあるので、きちんと調べてから半期報告書を提出します、ということになりそうです。


なお、半期報告書の提出は年明け1月14日を予定しているようです。 



2024年11月13日に株式会社サンウェルズが「2025年3月期半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出のお知らせ」をリリースしておりました(リンク)。


経緯については以下の様に記載されています。

2024年9月2日に共同通信社から配信された記事において、当社が不正に診療報酬請求をしていた(以下「本事案」といいます。)との指摘がなされたことを受け、(中略)当社より独立した社外の専門家を委員とする特別調査委員会を設置することを決議し、業務実態の調査を実施しております。

当該調査が長引いているため、半期報告書の提出が遅れるということのようです。


私は過去に介護事業を営んでいる会社の会計監査に携わっていたこともあって、当該案件が公になってから特に気になっていました。

仮に診療報酬の不正受給があったとすると、かなり厳しい行政処分が下される可能性があります。

この点、以下のような記載がなされています。

特別調査委員会からは、現時点までの調査の結果、行為を合理的に正当化できる事情が存在するものがある可能性も現時点で否定されないものの、本事案に該当し得る行為が一定の範囲で行われていたことを窺わせる情報が得られている旨の報告を受けております。


介護事業を営む以上、診療報酬の不正受給は何としても避けるべきだと思うのですが、その辺りが上手く機能しなかったのかも知れません。


なお、調査報告書の受領は来年2月とのことです。

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