小ネタ2本~意見不表明の留意点、債券の「保有継続」で減損回避~
- 佐藤篤
- 10月7日
- 読了時間: 2分
2025年9月26日にニデック株式会社(以下「ニデック社」)が「2025年3月期有価証券報告書の連結財務諸表に係る監査報告書の意見不表明及び内部統制監査報告書の意見不表明に関するお知らせ」(リンク)をリリースしておりました。
上場会社、それも株式時価総額が3兆円を超える企業への「意見不表明」は、監査法人内でも相当の議論があったろうと想像します。
個人的にいろいろ思うところはありますが、ここに記すのは止めておきます。
ところで、この「意見不表明」に関して、JICPAから「監査意見不表明及び有価証券報告書等に係る訂正報告書の提出時期に関する留意事項」(2022年3月1日)というリリースが出されています(会員向けなのですが、誰でも閲覧可能です)。
内容としては、過年度の訂正報告書は、調査終了後に「意見不表明」以外の監査報告書を添付して提出すべき、というものです。
以下に当該リリースの参考図を引用します。

今回のニデック社の事例は、上図の「今後の取扱い」の※2に該当し、調査終了次第、今回提出した有価証券報告書含め、過年度の訂正報告書が「意見不表明」以外の監査報告書を添付して提出されることになるものと思われます。
2025年10月3日のブルームバーグのウェブサイトに、下リンクの記事が掲載されておりました。
以下、当該記事からの引用です。
住友生命保険は含み損が膨らんだ一部の国債について、簿価の水準に回復するまで保有する「保有継続」の措置を取ることを決めた。
保有継続の措置を取ることで、減損基準に抵触したとしても損失を計上しなくて済む。
一方、簿価水準に回復するまで売却することはできず、(以下省略)
この記事が出た当日、周囲の同業者の間でもその内容について話題になったのですが、「保有継続」が保険会社特有の会計処理なのか、それとも何か他のルールに基づいた取扱なのか、私含め、誰も詳細を把握していませんでした。
かなり気になる内容ですので、今後継続的にリサーチして、詳細判明次第、改めて取り上げたいと思います。
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