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優良企業の決算短信~㈱シマノ2021年12月期3Q決算短信をレビュー~

  • 佐藤篤
  • 2021年10月29日
  • 読了時間: 2分

先日、株式会社シマノの2021年12月期第3四半期決算短信が発表されていましたので、早速一読してみました。


IFRSではなく日本基準

最初に意外に感じたのは、世界的に名の知れた企業であるにも関わらず、IFRSではなく日本基準を採用していることでした。

のれん残高が2021年9月末で33億円と企業規模に比べてあまり多額ではなく、そもそもM&Aにあまり積極的な会社ではない可能性もあり、IFRSを採用するメリットが少ないのかも知れません。


自己資本比率

88.5%とかなり高いです。

有利子負債で資金調達して自己株式の取得でもすれば資本コストを下げられると思うのですが、現金及び預金残高が2021年9月末で3,436億円あり、資産合計残高6,629億円に占める割合が約52%もあること、「株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記」に記載されているように既に自己株式の取得は実施されていることから、その可能性は低そうです。

若しくは近い将来の金利上昇を見込んでいるのかも知れません。


退職給付会計

連結貸借対照表に「退職給付に係る負債」は計上されているのですが、その他の包括利益累計額に「退職給付に係る調整額」が項目ごとありません。

2020年12月末の有価証券報告書で会計方針を確認してみたところ、過去勤務費用及び数理計算上の差異については発生連結会計年度に費用処理する方法を採用しているようです。


このような発生年度で全額費用処理する方法は、将来的な損益見込に自信を持っている企業に多いのですが、個人的には、特に年金制度を採用している企業の場合、未認識項目は遅延認識する方が望ましいと考えています。

何故かと申しますと、年金資産運用に係る数理計算上の差異金額は株価等ボラティリティの高い資産の運用結果に左右されることから、結果として年度末の業績見通しや予算が立てにくくなるからです。

退職給付を原則法で算定するメリットは未認識項目を遅延認識できるところにありますので、シマノ社のような優良企業は別として。一般的な企業におかれましては未認識項目の費用処理方法は慎重に検討されることをお勧めします。


まとめ

金利上昇局面でも何ら問題のない財務体質と退職給付に係る会計方針から垣間見える将来的な損益への自信が印象的でした。

こういう会社の株主になりたいものだ、と思うのですが、最低単元取得に3百万円以上必要であり、先日決算短信レビュー記事をアップした㈱ファーストリテイリング同様、個人株主には手が出しにくいのが玉に瑕です。



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