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コンテンツの中での会計人の描かれ方~「企業会計」2024年11月号~

  • 佐藤篤
  • 2024年11月22日
  • 読了時間: 3分

「企業会計」2024年11月号に掲載されていた「コンテンツは会計の印象を変えるのか?」(吉見明希)を読んでみました。

世の中にこんな研究が存在することに驚くと同時に、想定外の?面白さでしたので、取り上げることにしました。

 

当該論考の目的

  • コンテンツにおいて登場または言及される会計や会計人(accountant)についての研究を紹介する。尚、ここで紹介する論文における会計人は、会計士のみならず、企業の経理財務担当者など、広く会計業務に携わるものを含むことがある。

 

コンテンツの定義

  • 教養や娯楽的側面のある情報の集合体であり、大衆文化や人々の日常生活において消費されるものである。

 

会計と大衆文化の研究の目的

  • われわれが社会や組織において用いる文脈において、会計がどのような役割を持つのか、あるいは会計がわれわれの用いる文脈によって、どのように影響されるのかを明らかにできる。

  • メディアにおける表現が、会計のアイデンティティに関与する可能性がある。

  • 大衆文化における表現を含むコンテンツが、会計や会計人に対して人々が抱く典型的な印象を形成する。

 

イタリアの即興劇で用いられるキャラクターの類型と、インターネットサイトで集められた会計的要素を含む冗談に登場する会計人の印象を比較検証した研究

  • イル・ドットーレという専門職の男性の型との親和性を指摘。

  • イル・ドットーレは「偉そうで、教育を受け、裕福で、意味のないことについて語る」という特徴がある。

 

1938年から2018年までに発行されたアメリカのスーパーヒーローもののコミックにおいて登場した会計人のキャラクターの役割を分析した研究

  • 2000年以降、会計人のキャラクターが専門知識を活かし、経済的にも重要な地位を持つようになったヒーローを手助けする役割として描かれることが増加したことを示した。

  • ただし同時に、会計人は機能的だが弱く、重要だが使い捨てが可能であり、その結果として短命な傾向にあることも示された。

 

感想

以前、私を会計士だと知らない人と話をしていた時に、たまたま会計士の話題になり印象を尋ねてみたところ、「鼻持ちならない人が多い」という答えが返ってきたことを覚えています。実はバレていたのかも知れません(笑)

 

また、会計人に限らず、文系人材は理系人材に比べて育成が容易で、そのことが使い捨てにされやすいことに結びついています。

戦時中の学徒動員の際の文系と理系の扱いの差にもそれが現れていますし、世界的に有名なあるヘッジファンドは、有名大学で物理学や数学の博士号を取った人材しか採用しない方針らしく、その理由は、そのような本当に頭のいい人材が金融の知識をマスターするのは簡単だが、その逆は不可能だから、ということのようです。

 

その代替容易性を認識しているが故「偉そう」な態度をとって、自分を大きく見せようとしてしまうのかも知れません。

もちろん、そんな人ばかりではないのですが。

 

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